出版社内容情報
失われた文化遺産を再生する復元はどのように行われるのか。近世の内裏図作成と考証、平安宮八省院を模した平安神宮や寺院・城郭の再建、美術品のレプリカ、海外の再建建築の世界遺産登録など、広範囲に及ぶ時代と地域の復元を学術的に検討する。文化財・文化遺産の保存・活用が求められるなかで、復元の目的や実態、課題に迫る革新的な一書。
内容説明
失われた歴史遺産を再生する復元はいかに行われるのか。古代から現代における国内外の遺跡や建物、庭園、美術品の復元を検討。文化財・文化遺産の保存・活用が求められるなか、復元の目的や実情、課題に迫る意欲作。
目次
第1部 復元学の概念―理論編(復元学の概念と目的;考証学による復古から建築史学による復元へ;復元学の照射範囲―課題抄出のための覚書;ヨーロッパに於けるリコンストラクション―再建建築の世界遺産登録)
第2部 考証学と復元学―事例編(近世における内裏の復元考証;平安神宮にみる考証と復元のはざま;登呂遺跡復元住居(1951)の同時代性―建築史家・関野克による住居復元案の形成過程
建築史家・大岡實の復元建築―鉄筋コンクリート造による創建時代の「造形感覚」の再現
歴史的な庭園の復元―森蘊の「復元的研究」を通して
ポンペイにおける庭園の発掘とその復元)
第3部 復元学の現在と未来(縄文時代の建物復元事例―御所野遺跡から;史跡整備の実務に関わる「実験考古学」的手法;「バルセロナパビリオン」と「夏の家」にみる復元;復元学の方法論の提言)
著者等紹介
海野聡[ウンノサトシ]
1983年、千葉県生まれ。2009年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程中退。2009~18年、奈良文化財研究所研究員。現在、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授、博士(工学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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