内容説明
中世史の社会と経済に関する研究は、戦後もっとも進展した分野の一つである。それだけに古文書研究とも密接に関連する好論・名著は膨大な数に上る。本巻は、この数多くの名篇から荘園研究と商業・手工業の研究とに大別し、基本的な15篇を選んで収録した。
目次
第1章 荘園領主と荘園支配(九条家領の成立と道家惣処分状について;畿内型庄園の名構造に関する一試論;室町時代の高野山嶺庄園について;中世宇佐宮領編成の一・二の特質;守護役考)
第2章 在地の諸問題(預状についての一考察;茂木氏給人帳考;安芸国高田郡司とその所領寄進;菅浦絵図考)
第3章 商業・手工業と古文書研究(「座」の有する偽文書の意義;鋳物師の有する偽文書について)
第4章 中世商業史の諸問題(歴代宝案について;座について;中世常陸の国府六斎市とその商業;土一揆の組織性と私徳政)