出版社内容情報
日本国憲法の基本を,立憲主義の思想につねに立ち返りながら丁寧に伝える好評テキスト。第6版では,近時議論が活発化し,最高裁による判例形成の動きにも注目が集まる「婚姻の自由と家族制度」について新たに一章を書き下ろした。
内容説明
日本国憲法とは何か。立憲主義の思想とは何か、その原点につねに立ち戻りながら、丁寧に繙いていく。第6版では、「婚姻の自由と家族制度」の章を新設し、憲法24条の解釈を提示した。
目次
第1部 憲法総論(国家と憲法;立憲主義の基本原理;日本国憲法の普遍性と特殊性)
第2部 基本的人権(人権総論;人権の適用範囲と限界;包括的人権と法の下の平等;精神活動の自由(1)
精神活動の自由(2)
婚姻の自由と家族制度
経済活動の自由
人身の自由と刑事手続上の諸権利
参政権・国務請求権・社会権)
第3部 統治のメカニズム(国政のメカニズム;国会と内閣の組織・権限・活動;地方政治のメカニズム―地方自治;法の支配と裁判所;憲法の保障と違憲審査制)
著者等紹介
高橋和之[タカハシカズユキ]
東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フクロウ
5
「第9章 婚姻の自由と家族制度」が加わった以外は第5版からほとんど変化なし。やはり西山千絵が言うように、(同性婚札幌高裁判決の憲法24条1項同性婚保護説という憲法変遷論に立たない限り)、たとえ法律レベルで同性婚が導入されても、憲法24条1項が存在することから生じるスティグマがある以上、憲法改正が素直な帰結か。『世界』論文の帰結であろう、国家と社会の二分論を前提に、「婚姻」を国家ではなく社会の側に自生した秩序と把握してそれへの国家による法律を手段とする介入を観念するのは見事(自由権としての婚姻)。2024/10/08