出版社内容情報
著者は自身の憲法論を貫く「人格的自律権」の観念にいかにして辿り着いたのか──。その背景や趣旨を語った書き下ろしのほか,著者の人権論の原点である「プライバシーの擁護」など,佐藤憲法学の根幹に触れる論文集。著者が見つめてきたもの,憲法とは。
内容説明
著者の歩んできた道。人格的自律権の前景。その見つめてきたもの、憲法とは。
目次
1 日本国憲法の保障する「基本的人権」の根拠と体系(「基本的人権」の歴史;人権観念に立つ日本国憲法の成立;人権の根拠・体系と実効的保障)
2 プライバシーの擁護(自由と国家と社会と;自由をとりまく情況のパラドックス;社会的圧迫から自由を憲法的に救済することの限界;プライバシーを覆う暗いかげ;自己についての情報をコントロールする権利;プライバシーのための保護立法を;結び=「人格」の復権を)
3 (インタビュー)憲法一三条と人格的自律権の展望(聞き手 土井真一)(佐藤憲法学の原点;憲法一三条の解釈論への結実;個人の尊重と幸福追求権;人格的自律権論の展開;司法制度改革と人格的自律;憲法と私法秩序;プライバシー権と自己情報コントロール権;自己情報コントロール権批判とこれからの社会)
4 「人格的自律権」論に関する補足的説明および随想文(「人格的自律権」論の背景と趣旨;駒村圭吾氏の提起される各種の問いに対する応答;「人格的自律権」にかかわる随想文)
5 人権保障と司法の役割(「国民の司法」へのさらなる発展を求めて―滝井繁男氏を偲びつつ;現代立憲主義における「司法」の役割;法を学ぶことの意義とそれに伴う責務)
著者等紹介
佐藤幸治[サトウコウジ]
1937年新潟県に生まれる。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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