ちびくろサンボ

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ちびくろサンボ

  • ISBN:9784770501998
  • NDC分類:E

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内容説明

80年前アメリカで出版された美しい一冊の絵本。その絵本は、日本で120万部以上も売れた岩波書店版『ちびくろ・さんぼ』の原書となりました(現在は瑞雲舎より刊行されています)。ところが岩波書店版は、フランク・ドビアスが描いた印象的なイラストを大幅に改編したものだったのです。アールデコの流れをくむフランク・ドビアスの力強いイラストは、その多くが一部をカットされ、反転され、合成されました。なかには収録されなかったイラストすらあります。
そのようなことが起こったのは、イラストを描いたフランク・ドビアスが消息不明になってしまったため、守られるべき著作権が守られなかったこと。岩波書店が『ちびくろ・さんぼ』を出版した1953年当時は、まだ著作権を重んじる意識が日本で低かったこと。横書きの絵本がほとんどなかったので、横書きの原書を縦書きにする必要があったことなどが原因です。
当時にしてみれば、しかたのないことだったのでしょう。けれども、大幅に改編されたがゆえに、『ちびくろ・さんぼ』は原書の持つ味わいを失ってしまいました。これほど長いあいだ『ちびくろ・さんぼ』を愛読し続けてきたのに、私たちはフランク・ドビアスの描いた本当のイラストを知らないままなのです。
そのうえ、著作権に対する意識がこれだけ高まっている昨今になってもまだ、フランク・ドビアスの絵を真似た、盗作とすら言えるような絵本が出版されています。
長年にわたって私たちを楽しませてくれたフランク・ドビアスに対する深い敬意を込めて、私たちは彼のイラストをできるかぎり忠実に再現。いまようやく、原書そのままの絵本を世に送りだします。岩波書店版(瑞雲舎版)には収録されなかった5点のイラストは、日本初公開。
子ども達に伝えたいのは、原書にしかない本物の味わい。いまは亡きフランク・ドビアスも、きっと喜んでくれることでしょう。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yomineko@ヴィタリにゃん

59
虎のバターで有名なお話。パパの名前はジャンボ。ママはマンボ。発想がとても面白かった。怖い虎に出会う旅に洋服や靴、傘まで奪われるサンボ😢だけど、虎のバターを使ってママが焼いたパンケーキが本当においしそう!!!サンボは169枚食べたんだって🥞2024/04/10

tera。

34
一度は絶版になった「ちびくろ・さんぼ」と、こんなに素敵な絵本になってまた会えた事が嬉しい。アール・デコの流れをくんだイラストらしいのだけど、そういった事には詳しくない私が見ても、この鮮やかな色使いがこの小さな絵本の楽しさをとても良く伝えていると思う。今読んでもこの絵本のどこが発売禁止に繋がったのかが判らなかった。 表紙カバーを捲ると「LITTE BLACK SAMBO」とあり、こちらの方が表紙のイラストとよく合っている気がした。バターの件は大人には懐かしく、子供には驚きなんじゃないだろうか。2014/05/11

こりんご

32
《この本は赤い表紙の「ちびくろ・さんぼ」の原書です》「書店ガール」きっかけであれこれ調べてみると、様々な形で出版された多くの「LITTLE BLACK SAMBO」がありました。一時期問題になったこの本を私も昔読んだはず。ところがどの本かは憶えてなかったので、今回は原書と書かれたものを選んでみました。おぼろげだったストーリーが分かってスッキリ!ドビアス氏の絵はカラフルで可愛くって、とても気に入りました。今月誕生日の姪にプレゼントしようと思います。そしたら時々貸してもらえるかなぁ~(*^^)ゞ 2015/07/22

小夜風

31
【図書館】子どもの頃に読み親しんだ岩波版の「ちびくろさんぼ」と、こないだ読んだ赤い表紙の瑞雲舎の「ちびくろさんぼ」では挿し絵が改変されたりカットされたりしているそう。この径書房版では原作を忠実に再現しているそうです。印刷のズレ等も修正しない拘りよう。へえ~って感心しながら読みました♪2015/05/07

ヒラP@ehon.gohon

30
かつて、この本が図書館から締め出された「悪書」扱いされた事を知っている大人はどれだけいるでしょう。何でも「サンボ」という言葉が黒人を蔑視した差別用語だという理由からでした。 カルピスのシンボルマークの「クロンボさん」も、同様にすがたをけしました。(「クロンボ」も差別用語らしいです) 「ピノキオ」が、肢体障害者を揶揄した作品だと、姿を消した時代もありました。 絵本本来の純粋さを的確に鑑賞してこそ、真のノーマライゼーション打と思うのですが、どうしても感慨深く手にしてしまいました。 2024/02/09

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