内容説明
財政に人々の声をどのように反映していくのか―財政民主主義の可能性を探る。新自由主義が浸透する現在の社会において、財政の民主主義的コントロール、すなわち財政民主主義は実感されていないのが現状である。そのような中、財政民主主義を実質化するにはどうしたらよいか。その潜在的可能性を民主主義先進国スイスの事例から探る。
目次
第1章 財政民主主義と財政学の諸学派―新自由主義をめぐる議論をふまえて
第2章 財政民主主義の多面化―既存の理解への批判
第3章 なぜスイスを研究対象とするのか―制度的独自性・国際比較・新自由主義
第4章 「客観的」評価と政治的評価―スイスの労働政策の自治
第5章 直接民主主義の暴走と抑制―スイスの「逆進」所得税の分析を通じて
第6章 多様な地域はいかに合意可能か―スイスの政府間財政調整制度改革(NFA)をめぐる意思決定過程
第7章 新自由主義とポピュリズムの時代―スイスの年金改革と「イシューの分割」
終章 来たるべき財政民主主義に向けて―学術的課題と社会実装における課題
著者等紹介
掛貝祐太[カケガイユウタ]
1992年生まれ。専門は財政学、とくに財政民主主義。慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(経済学)。2020年より、茨城大学人文社会科学部講師(テニュア・トラック)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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