出版社内容情報
経済のメカニズムを内側から変革するために,諸学問の成果を縦横に駆使し,経済活動を規定する会計の立場から実践的指針を提示。
内容説明
企業という私的空間に「人間の条件」としての公的空間を開く会計の可能性とは。アーレントとデリダを全体のモチーフに、公共性・責任・正義をめぐる哲学に基礎を置いて、経済学的な思考枠組みを超えるための会計学を再構築し、経済というシステムに対抗する実践を自律的に展開可能にする制度設計を展望する。
目次
第1章 会計と公共性(「経済の時代」から「人間の時代」へ;経済と社会の関係性 ほか)
第2章 アカウンタビリティを革新する(会計の基礎としてのアカウンタビリティ;会計専門家にとっての責任とは ほか)
第3章 複数評価原理の会計は可能か(測定・評価対象としての価値;worthとvalueの関係性 ほか)
第4章 企業を社会に開くには(企業と社会;信任義務から企業に迫る ほか)
第5章 「人間の時代」の経営倫理(理論から実践へ;私的組織の中の公的責任を理解する ほか)
著者等紹介
國部克彦[コクブカツヒコ]
1990年大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程修了。博士(経営学)。大阪市立大学助教授、神戸大学助教授等を経て、2001年より神戸大学大学院経営学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TATA
31
有斐閣の本なんて大学生の時以来だと少々構えて読了。経済の時代から人間の時代へと取り戻すためにも利益追求型の資本主義とは異なる考え方を併立させるべきと説く。哲学と会計学を紐つけて複数評価原理の導入までは興味深く読めたのだけど、後段、企業側の取組に話が移るとべき論に終始してしまう印象。やっぱり大学の先生から見ると企業の事業戦略は異世界なのかなあ。ただ、会計学の立場からの新経済論は目から鱗で新鮮に読めました。考えさせられることも多くてマーカーをたくさん。図書館本じゃないからできることですね(笑)。2022/08/02
takao
1
ウィトゲンシュタインを含め、必要のない引用が多すぎる。読むに堪えない。2022/10/02