内容説明
「改革」の果てに見たものは。五五年体制の崩壊から今日に至るまでの日本政治を政治記者として権力の中枢に接してきた著者が分析・考察する。
目次
自民党単独政権期
一九八九年
不発に終わった政治改革
細川連立内閣
自民党の復権と村山内閣
戻ってきた自民党政権
新進党の崩壊と民主党の誕生
小泉内閣と構造改革
小泉改革を可能にしたもの
変貌する安保政策
ポスト小泉政権の迷走
進化する民主党
民主党政権の誕生と混迷
再び政権交代
四半世紀に及ぶ「改革運動」
著者等紹介
薬師寺克行[ヤクシジカツユキ]
1955年、岡山県に生まれる。1979年、東京大学文学部卒業。朝日新聞社入社。主に、政治部で国内政治や日本外交を担当。政治部次長、論説委員、月刊誌『論座』編集長、政治部長、編集委員などを経て、現職。この間、米国シンクタンクのヘンリー・スティムソン・センター客員研究員、京都大学公共政策大学院客員教授、学習院大学特別客員教授などを務める。現在、東洋大学社会学部教授(現代日本政治、日本外交)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
21
政官業の鉄の三角形(図1-1、9頁)。田中角栄の時代に形成されていったようだ。竹下登と安倍晋太郎は、互いを竹ちゃん、安倍ちゃんと呼び合う親密な仲(13頁)。してみれば、竹下内閣で消費税3%導入、その息子晋三内閣で8%へ増税した、消費税同盟が築か95年8月15日の村山談話(85頁~)。過去の戦争を反省し未来の平和への決意を表明(86頁)。 05年の小泉談話を踏まえて、現政権は外交姿勢を打ち出す必要があると思う。現総理では不安。 2015/07/14
Shiki Magata-ma
3
現代とは通例太平洋戦争終了後からのことであるが、この本ではそのなかでも1980年代以降の、まさに現代と言える時代の政局の動向の推移について解説している。また本書は改革という側面について特に着目している。小泉政権がどのような性質を持ち、どうして改革政策が実行できたのかを分析する部分と、鳩山、菅政権がどのようにして誕生し、何が難点であったかの部分が面白かった。しかし、安倍、福田麻生政権時のマスメディアの動きが看過されていてその時期の政局の姿が見えづらかった。2017/12/26
coolflat
3
55年体制崩壊以降の日本の政治を追っている。現在に至る日本の政治の四半世紀は偏に政治改革であったと言う。自民党政治の否定であったと。55年体制までの政治は「富の再配分」という利益誘導によって権力を維持してきたが、政治家の汚職や支持組織の弱体化により権力の維持がままならなくなる。リクルート事件を機に一連の政治改革は始まるが、それによって日本の政治に4つの変化が起きたと言う。1つ目は小選挙区制を中心とする「選挙制度改革」。2つ目は「政党交付金」。3つ目は「首相主導・官邸主導」の定着。4つ目は「政党の変容」だ。2014/12/05
えむ
0
1989年以降の日本政治の通史。良くも悪くも筆者の立場からの分析が展開されている。ただ、扱われている事柄はオーソドックスで、現代の日本政治の概略をつかむことができた。2017/03/30
すずめ
0
小沢一郎が新党を作り、選挙向けの公約を作り、党勢を拡大し、反小沢派が出現し、党は分裂。そして小沢が新党を作る繰り返し。小沢が生粋の田中派であることが所以だろうか。2016/06/13