出版社内容情報
京都議定書の発効、「持続可能性」「エコロジカル・フットプリント」といった概念の登場を踏まえて、好評の初版を大幅に改訂。
内容説明
環境問題が関心を集めるなか、自然と人間の関係はどうあるべきかが問い直されている。自然の価値をいかに認識し、環境問題を考えていくべきだろうか。この問いに対する探究を進める“環境倫理学”の内容を、最新の議論と事例で解説する。
目次
環境問題を倫理学で解決できるだろうか―未来にかかわる地球規模の正義
人間中心主義と人間非中心主義との不毛な対立―実践的公共哲学としての環境倫理学
持続可能性とは何か―開発の究極の限界
文明と人間の原存在の意味への問い―水俣病の教訓
環境正義の思想―環境保全と社会的平等の同時達成
動物解放論―動物への配慮からの環境保護
生態系と倫理学―遺伝的決定と人間の自由
自然保護―どんな自然とどんな社会を求めるのか
環境問題に宗教はどうかかわるか―人間中心から生命中心への“認識の枠組み”の変換
消費者の自由と責任―対環境的に健全な社会を築くために
京都議定書と国際協力―実効的なレジームの構築へ向けて
環境と平和―戦争と環境破壊の悪循環
著者等紹介
加藤尚武[カトウヒサタケ]
1937年生まれ。前・鳥取環境大学学長、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
11
有斐閣アルマの赤色にしては、レベル高めの内容ですね。環境問題や生態系の話だけでなく、動物開放論、哲学、宗教等に関わる議論もあります。本書は、2005年刊で最近の動向に触れられていないのが残念なところですが、環境倫理に関する議論全体を眺めるには良い本ですね。「森の生活」で有名なヘンリー・ソローも少しだけ登場します。2022/12/12
無識者
11
結局自分には人間中心主義がしっくりくると思う。という動物解放論とか一定の説得力をもつのはわかる。特に形而上学で展開されたりすると。一種人間の分類に従って差別するのが不当であるといえなくもない。しかし、今までの文明を考慮していかなければならない。いや、環境倫理の理想と現実の間でどうつなぎ合わせるかと考えていく努力はひつようである。人間以外のの動物のために、生活水準を落とすのは正直嫌である。2016/01/07
牛タン
1
面白かった。わかりやすかった。網羅的だった。2019/01/04
めい
0
環境を考えると倫理観にぶつかる。新しい豊かさを獲得したいものだと、思った。2013/12/05
Kame
0
「環境倫理学は、通常の法律・経済・倫理の論争の成立する条件そのものを疑問の対象とする学問ある」2011/12/12
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