有斐閣アルマ
環境問題の社会史

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784641120976
  • NDC分類 519.2
  • Cコード C1336

内容説明

環境問題と人間社会はどう関わり合ってきたのか。江戸時代から現代まで、その変化をさまざまな事例を通して跡づけるとともに問題の根底に潜む、変わらない社会関係を浮き彫りにする。

目次

序章 環境問題の社会史の視点
第1章 江戸時代の環境問題
第2章 殖産・軍事立国と公害・環境問題―明治開国から昭和戦前
第3章 戦後復興期の環境問題―モノ不足の時代
第4章 高度経済成長と大量消費の時代
第5章 環境運動と環境対策
第6章 地球環境問題とアジア地域・開発途上国の環境
第7章 地球環境問題と少数民族・先住民族
第8章 高度消費文明と溢れる廃棄物
終章 環境問題への視点と歴史的把握の関係

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あきあかね

23
本書は、環境問題を社会史の視点から叙述する。江戸時代から始まり、明治維新後の殖産·軍事立国、太平洋戦争、戦後復興、高度成長を経て、現在の地球環境問題に至るまで、人間活動に伴い生じてきた環境問題の系譜を俯瞰する。 歴史を辿ることで見えてくることがある。例えば、高度成長期に生じたイタイイタイ病や水俣病などもその淵源は既に戦前から存在していたが、問題が適切に対応されていなかった。また、どの時代においても、公害·環境問題で主に被害を受けてきたのは社会的経済的に弱い立場にある人たちであったという、著者の指摘は重い。2021/05/16

ぽむら

5
こう言う網羅的な入門書?を読むのはすごく大切だと感じる。自分の無知を確認できて、色々調べながら読んだ。 後半は内容が古くなってしまって勿体ないので、更新版を作ってくれたら良いのになと思う。特に更新版がもし出るなら、最近の公害からやや切り離され、市場のロジックに組み込まれたアピールとしての”環境性能”の話や、ナッジなどを通した国家の父権的な欲望(市民の加害性の過度な強調)に関しても触れてくれるとより良いなと思う。2021/10/25

Mealla0v0

4
自然環境や人々の生活・健康に害をなすのが環境問題、そのうち加害‐被害の関係が確定可能なものが公害問題。本書は後者の点に意識を置き社会史を描き出す。江戸時代から既に環境問題は生じており、明治の近代化以降、殖産興業・富国強兵を旗印に、工業化と軍事化がセットで進行した。国家発展のために、自然と社会的弱者は犠牲とされた。敗戦後、民主化するも、復興のためと環境破壊は続き、高度成長はむしろ戦前からの公害問題を一層推進した。反公害運動・環境運動の高まりから、これらの問題は是正されつつあるが、廃棄物問題は今なお争点。2021/08/10

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