目次
第1部 慣習法性の検証(従来の国際実践における緊急避難の不受容;緊急事態への従来の対応方法;近年の国際実践における緊急避難受容への転回)
第2部 正当性の検証(一般的緊急例外への批判理由;批判克服に向けての一般的緊急例外理論の進化;近年の解釈適用実践に見る緊急避難の規範内容と適用実態;批判克服の現状についての評価;より批判を克服しうる理論的位置の提言)
著者等紹介
山田卓平[ヤマダタクヘイ]
1991年大阪府立四条畷高校卒業。1996年京都大学法学部卒業。1998年京都大学大学院法学研究科修士課程修了(法学修士)。2000年神戸学院大学法学部講師。2003年同助教授。2010年同教授。2011年龍谷大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Jona
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先輩から頂いたものを読了。緊急状態の国をも国際法の枠内に留めさせる必要性(緊急避難肯定説)と緊急避難の濫用抑制(否定説)とのバランスをとる「より賢明な肯定論」(203頁)を目指した書。精緻な先行研究整理と、緊急避難法理批判の妥当性検証という視角の明快さには学びたい。気になった点は、緊急避難法理の慣習法性についての煮え切らなさ(74・204-05頁)と、緊急避難の理論的性格づけにおける政策的考慮の存在(196・198頁)かな。客観責任主義自体に批判的なのか否か。もう少し読み込む必要あり。2015/02/02