出版社内容情報
ノットワーキング(knotworking)は、多くの行為者が活動の対象を部分的に共有しながら影響を与え合っている分かち合われた場において、互いにその活動を協調させる必要のあるとき、生産的な活動を組織し遂行するためのひとつのやり方をいう。ノット(knot,結び目)という考え方が指し示そうとするのは、行為者や活動システムは弱くしか結びついていないのに、それらの間の協働のパフォーマンスが急遽、脈打ち始め、分散・共有され、部分的に即興の響き合いが起こってくる、ということである。(「まえがき」より)
内容説明
教室を超えて、子どもが自ら学ぶことへの支援、医療機関をまたぐ患者・医師・介護・福祉の連携、災害におけるボランティアの臨機応変の救援、地域再生のための住民・専門家の協働…。分野を超えて野火のように拡がりつつある新しい活動パラダイムへの招待。
目次
ネットワークからノットワーキングへ―活動理論の新しい世代
第1部 拡張的学習のノットワーキング(境界領域の活動へ―放課後教育活動におけるノットワーキング;拡張的学習の水平次元―医療における認知的形跡の編成;ノットワーキングによる発達環境の協創;コスモポリタニズム、アメリカ文学、外国語としての英語)
第2部 即興・多声・記憶のノットワーキング(即興としての災害救援;多声の空間―島団地再生事業の経験から;地震の言語と人間の言葉―季村敏夫論、記憶のノットワーキングのための)
著者等紹介
山住勝広[ヤマズミカツヒロ]
1963年、神戸市に生まれる。1992年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、関西大学文学部教授、関西大学人間活動理論研究センター・センター長。専門は、教育方法学、学校教育学、人間活動理論
エンゲストローム,ユーリア[エンゲストローム,ユーリア][Engestr¨om,Yrj¨o]
1948年、フィンランドのラハティに生まれる。ヘルシンキ大学にて教育学、社会心理学、政治史、倫理学を学び、1987年、ヘルシンキ大学から教育学の博士号(Ph.D.)を取得。現在、ヘルシンキ大学教育学科教授(成人教育学と発達的ワークリサーチを専門とする博士課程を担当)、ヘルシンキ大学活動理論・発達的ワークリサーチ・センター長、カリフォルニア大学サンディエゴ校コミュニケーション学科名誉教授、関西大学人間活動理論研究センター研究顧問教授(Visiting Research Professor)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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