出版社内容情報
約書のこの条項にはどんな背景があるのか、もしこの文言がないとどうなるのか。国際契約の正確な理解のために必読の書。
内容説明
本書は、英国法にもとづいて国際商取引契約の各条項を根本的に検証しなおしてみようというものである。まず第1章で、基本的なことであるが契約の成立を扱った。第2章では英国の裁判官がどのように契約の内容を確定していくのかを検討した。第3章では国際売買契約で典型的に使われるいくつかのツールを、英国法にもとづいて分析した。第4章では国際売買契約に典型的に見られる条項を順次取り上げて、その法的背景や意味を紹介した。
目次
第1章 契約の成立(英国法における契約の成立;申込み ほか)
第2章 契約を構成する要素と契約解釈(明示の契約条件;当事者間の暗黙の合意―黙示の条件(1) ほか)
第3章 国際売買契約の特徴的ツール(国際売買契約を行うにあたって;Incoterms ほか)
第4章 国際売買契約に見られる主たる契約条項(基本条項―目的物、量、履行期;その他の実務的条項 ほか)
著者等紹介
中村秀雄[ナカムラヒデオ]
1972年3月神戸大学法学部卒業。1972年4月より2001年3月まで丸紅株式会社勤務。1975年12月米国ミシガン大学ロースクール修士課程修了。1990年4月より1996年3月まで丸紅英国会社リーガルマネージャー。1997年4月より2001年3月まで同志社大学大学院法学研究科非常勤講師(「英文契約研究」担当)。現在、小樽商科大学大学院商学研究科教授
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感想・レビュー
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ちくわ
3
英国法に基づく国際商取引契約の解説がなされた本。国際ビジネスにあたっての契約法務を学ぶ際のベースとなるものと考えられる「売買契約」に関し、英国法上の理論面の説明、個々の売買契約における条項を実務的な見地も踏まえて説明していく。英国法上の判例も多数引用されており、裁判となった場合の取り扱われ方もイメージしやすくなっている。英国法上の概念をベースとしたFOBやCIFの説明も相当程度されており、INCOTERMSとの差異を意識しないと混乱する場面もあるように感じた。都度読み返そうと思う。2020/05/26