感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nagoyan
7
優。今日では、理論的な分析は、モノグラフィーに委ねられて、公物営造物法としての概説書は需要がないのであろう。他方で、実務的関心から、個別法の解説書は定期的に更新されている。さて、1974年の刊行である本書は、当然のことながら、時代を感じさせる。また、巻頭、給付行政論が長々論じられるあたり、公物法を学ばんとする者の意気を挫くに十分であろう。まして今日の立法は、理論的な整合性よりも対処療法的な政策論に支配される憾があり、行政法教科書でもざっと目を通した上は個別法の学習をした方が合理的ではあろう。2020/02/23