出版社内容情報
現在の葬儀において、喪服は黒一辺倒であるが、明治以前には、古代に始まる白喪服が主流だった。
白から黒へ、「喪のイメージ」はなぜ正反対の色に変わることになったのか?
そこには明治の元勲たちの国葬と、皇室の大喪が密接に関わっていた。
明治期の変遷を中心に、喪服の歴史を明らかにする。
【目次】
第1章 明治以前の喪服は白喪服が主流
江戸後期の代表的喪服は白裃と白無垢
第2章 明治五年、文官の大礼服と万人の燕尾服を制定
白喪服が黒喪服に替わる発端となる
第3章 明治十一年の故大久保利通葬儀は国葬並に盛大
会葬者は大礼服に黒ネクタイと黒手袋
第4章 明治十六年から二十九年までに五回の国葬
上流階級のみが関わり、政府は喪服を模索
第5章 明治三十年の英照皇太后大喪は全国民が喪に服す
政府指示の各種喪服は以降の標準に
第6章 英照皇太后大喪での天皇の喪服は黒喪服
律令時代以来の大喪で着用してきたもの
第7章 喪主の喪服は国葬と英照皇太后大喪で共通
昔の大喪で臣下に着用させたもの
第8章 英照皇太后大喪では随所に喪のシンボル色・黒
皇室系のものと西洋系のもの
第9章 英照皇太后大喪で登場した黒白縞の幕二種
この黒は後で喪の意味を持つようになる