内容説明
浮かび上がる桃山文化の漆工技術と時代背景―。御殿建造物部材、「南蛮漆器」、出土漆器、当世具足等の漆工品に対する高精細写真撮影、デジタル顕微鏡・蛍光X線分析装置・X線透過写真撮影による理化学的調査と関連文献史料調査をもとに、広範な世界の動きと密接に連動した漆工文化の実相を解明する。
目次
第1部 漆工文化の実態と材質・技法(日常生活什器としての出土漆器椀;各種什器に使用された蒔絵加飾の材質・技法;伏見城関連遺跡出土の金箔瓦;御殿建造物における外観部材の漆箔塗装;当世具足における一塗装技術)
第2部 輸入漆塗料の調達と使用(東南アジア交易に伴う輸入漆塗料;桃山文化並行期における東南アジア地域の漆文化;京都市中出土の漆工用具;出土漆器における輸入漆塗料の使用事例;南蛮様式の初期輸出漆器(いわゆる南蛮漆器)の材質・技法)
第3部 御殿建造物の蒔絵塗装(都久夫須麻神社本殿内の蒔絵塗装;醍醐寺三宝院白書院の蒔絵床框;大覚寺客殿(正寝殿)の蒔絵帳台構
豊国神社所蔵の蒔絵唐櫃
日光東照宮社殿内の梅・牡丹蒔絵扉)
結論(まとめと今後の課題;都久夫須麻神社本殿(国宝)蒔絵塗装:関連図版一覧)
著者等紹介
北野信彦[キタノノブヒコ]
1959年名古屋市生まれ。1982年愛知大学文学部史学科卒業。(財)元興寺文化財研究所保存科学センター主任研究員、くらしき作陽大学食文化学部准教授、(独)国立文化財機構東京文化財研究所保存修復科学センター伝統技術研究室室長および東京藝術大学大学院文化財保存学連携教授などを経て、龍谷大学文学部教授。博士(学術:京都工芸繊維大学・史学:東京都立大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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