内容説明
本書はポルノ現象の展開を1つの軸としながらも、もっと広くアメリカにおける性革明の盛衰を、文化的な興味をもって追跡し、考察してみたものである。
目次
1 性革命とアメリカ社会―歴史的展望
2 性と性表現の解放をめぐって
3 アメリカのポルノグラフィー
4 「ヌード雑誌」の盛衰
5 「ポルノ映画」の盛衰
6 大衆の夢としての女たち
7 ユートピア運動と性の実験
8 性解放のかなた
9 反ポルノグラフィー運動の展開
10 性革命は終わったか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いきもの
3
60~80年頃まで盛んだった性革命についての本。発行は89年であり、内容は古いものの運動当時の肌触りのような物が感じられる。アメリカとピューリタン思想、猥雑表現と文学作品、ポルノグラフィティ、映画、コミューンなどについて言及。アメリカ文学学者の限界なのか、キンゼー報告や実際の性行為の変遷などにはあまり触れていないし、アメリカの範囲内だけを追っているので、少々片手落ち。2021/03/19
わす
0
プレイボーイ刊行まで、米国では一部のヌーディスト向け雑誌を除いてヌードを拝むことはできなかった。そのプレイボーイも陰部を隠した半裸写真が主体だったが、60年代のうちに性器を見せる雑誌が大っぴらに売られるようになり、70年頃から性行為を載せた雑誌が登場する。一方、ポルノ映画館では60年代末に性器を大写しにしたオナニー映画がかかっていたのが、71年にはすでに性交を見せる映画が広まっていたという。それにしても、ジョンソン大統領諮問委員会の報告は結構テキトーなものだったんだな、、2024/09/22