内容説明
世界の最新研究成果を網羅し、時代順にわかりやすく解説する決定版!!
目次
エジプトの自然環境と地理
古代エジプト史の枠組み
旧石器時代のエジプト
エジプトにおける「新石器化」
先王朝時代
最初のファラオ
初期王朝時代
古王国時代
第1中間期
中王国時代
第2中間期
新王国時代第18王朝
新王国時代ラメセス期(第19王朝・第20王朝)
第3中間期
末期王朝時代
プトレマイオス朝時代と古代エジプト文明の終焉
著者等紹介
河合望[カワイノゾム]
金沢大学新学術創成研究機構教授。1968年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。ジョンズ・ホプキンス大学大学院近東学科博士課程修了(Ph.D.)。米国エジプト調査センター特別研究員、ユネスコ(国連教育科学文化機関)コンサルタント、早稲田大学非常勤講師、早稲田大学理工学術院客員准教授、早稲田大学高等研究所准教授、カイロ・アメリカン大学客員教授等を経て、2016年より金沢大学新学術創成研究機構准教授、2019年より現職。30年以上にわたりエジプト現地での発掘調査や保存修復プロジェクトに従事。専門はエジプト学、考古学。特に新王国時代を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるわか
12
毎年繰り返されたナイル川の氾濫により肥沃な土が上流から運ばれ豊かな収穫をもたらした。荒涼とした不毛の砂漠に囲まれたナイル川流域が古代エジプト人の生活する世界。砂漠は死の世界であり、ナイル川流域は楽園。ナイル川はハビ神として神格化。死の世界である砂漠と対峙しナイル川両岸の楽園で暮らす古代エジプト人は生への執着を強め、来世も楽園に暮らすことを願った。雲一つない晴天が続き、毎朝東から太陽が昇り西に沈みまた東から昇る、毎年ナイル川が氾濫し豊かな実りをもたらすことは、生命が再生復活し永遠であるという来世観を育んだ。2022/05/11
Mana
8
一度挫折したけど、「帝国の崩壊」を読んで再チャレンジ。概略が頭に入ってたからから、今回はちゃんと読めた。なかなか面白かった。 最近「エネアド」という漫画を読んでるから、今度はエジプト神話を読みたくなってきた。2022/11/12
MUNEKAZ
8
先史時代からプトレマイオス朝までの通史。図版や用語解説、文献案内が充実しているのはうれしいが、やはりページ数に対して扱う範囲が広すぎて、あまりにも駆け足な印象も。史料的な限界もあるかもしれないが、政治史、制度史に終始して、人々の生活までは見えてこない。個人的には歴代のファラオ達が、過去の王朝が築いた遺跡を再利用して王権の正統化を図っている点が印象に残った。征服王朝であるヌビア人王朝も積極的にエジプトの神々を信仰しており、軍事力よりもこうしたソフトパワーの強さが大帝国の威光を物語っているように感じる。2021/10/11
チサエ
5
少しずつゆっくり読みました。知らなかったことは良き学びになり、知っていたことは良き復習になり、このご本を読んだおかげで古代エジプトをさらに好きになりました。年代に沿って書かれていてとても分かりやすく、また、時々に見合ったマップもその都度載っていて地形も理解しやすかったです。読めてよかった!2021/06/06
belier
4
後半はかなり駆け足で飛ぶように進んだが、古代エジプトの通史として不足ないのではないだろうか。これまで有名どころの人物や出来事を飛び飛びに紹介する本しか読んでいなかったので、この本でピースが埋まり古代エジプト史の全体像が少しは見えてきた気がする。それにしても、絞首刑に処された人をミイラにしたりとか、ラメセス3世のミイラは暗殺されたものだったとか、何のこだわりだったのだろう。日本的に言うと、ミイラにしないと怨霊になって祟られるとでも思ったのだろうか。政治史以外では情報が少ないため、その辺は他を当たるしかない。2023/08/05
-
- 和書
- 塩 ものと人間の文化史