出版社内容情報
近くて遠い時代、明治。江戸時代の歴史と明治維新の関係性から説き起こし、文化的な側面に焦点を当てることで、明治時代特有の人間性・精神に迫る。
内容説明
近くて遠い時代、明治。江戸時代の歴史と明治維新の関係性から説き起こし、文化的な側面に焦点を当てることで、明治時代特有の人間性・精神に迫る。
目次
第1章 近代の成立と江戸時代(近代以前と封建制;江戸時代史の再検討 ほか)
第2章 日本近代史学と筆禍事件(喜田貞吉筆禍事件;南北朝正閏論争 ほか)
第3章 『夜明け前』の歴史的考察―国学思想との関連で(『夜明け前』の批評と藤村の歴史意識;『夜明け前』にみる藤村の明治維新観 ほか)
第4章 藤村操の自殺と明治の青春(藤村操の残したもの;藤村操の自殺の背景 ほか)
第5章 乃木将軍の殉死と明治の精神(殉死の系譜;乃木将軍の殉死の意味 ほか)
著者等紹介
小林敏男[コバヤシトシオ]
1944年長野県長野市に生まれる。1978年東京教育大学大学院文学研究科(日本史学)博士課程単位取得退学。1995年博士(歴史学)(國學院大學)。現在、大東文化大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
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よく、海外のことを知るにはそこに住まねばならない、的な意見があるが、歴史学者か誰かが、普通はその国に住みその国に生まれた人でも、自分たちの国がどういうところであるかは、実のところ誰かが書物に記したもので認識している、といって、なるほどと思った。本書は文字に心情や思想を綴った一部の人々(様々な論を選んではいるが)による明治時代、と言えるかもしれないが、その意味で、意義ある一冊だろう。個人的には、「子は父に似るのではなく時代に似る」という社会学者の言葉に従い、藤村操の章が参考になるのではと思った。2014/10/10