出版社内容情報
目次 権現思想の源流と展開(本地垂迹説の起源について/神仏習合の発展【ほか】)古代の権現信仰の成立と展開(摂関時代の御嶽詣/羽黒山三所権現【ほか】)中・近世の権現信仰の展開(和光同塵/豊国大明神の成立/日光山と関東の修験道/日光東照宮の信仰について)【ほか】
感想・レビュー
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bapaksejahtera
11
オンデマンド出版。編者著者は殆ど物故。辻善之助氏を始め論文の多くは文体と謂い恐らく内容と言い古めかしい。大乗成立を待つ迄もなく、仏教は元々(真理を衆生済度に及ぼす化身を意味する)権実思想を内包しており、これがチベットやシナ等他の文化圏の宗教思想を取り込む所以となった。本書では我が国の多様な神祇を、仏が済度するという思想に始まり、終には我が本地神に仏は垂迹する歴史を述べる。八幡神や神宮寺、最後に東照権現等を詳説する。不覚乍ら神宮寺を別当寺同様に理解していた。維新でこれらが如何に神仏分離に対応したか興味深い。2023/10/26