内容説明
移りゆく時代のはざまで力尽きた、神童の旅の果て。10歳から読めるクラシック音楽入門書。音楽が試聴できるQRコード付き!
目次
プロローグ きれいな音がぼくを呼んでいる
第1章 最初の二つの旅
第2章 三年半にわたる西への大旅行
第3章 オペラ上演の敵たち
第4章 陽光降り注ぐオペラの国
第5章 イタリア再訪、そして再々訪
第6章 アンナ・マリアの悲劇
第7章 ザルツブルクの鳥かご暮らし
第8章 ウィーンの売れっ子
第9章 “フィガロの結婚”と“ドン・ジョヴァンニ”
第10章 最後の三年間
著者等紹介
萩谷由喜子[ハギヤユキコ]
音楽評論家。東京都文京区生まれ。日舞、邦楽とピアノを学び、立教大学卒業後音楽教室を主宰するかたわら音楽評論を志鳥栄八郎に師事。専門研究分野は、女性音楽史、日本のクラシック音楽受容史。現在『音楽の友』等の公演評欄を担当するほか各紙誌に執筆。NHKラジオ深夜便等放送番組に随時出演、各地でクラシック音楽講座、レクチャーコンサートの講師を務める。ミュージックペンクラブ・ジャパン会員、山田流協会、日本三曲協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みさと
2
わずか35年10ヶ月の人生を駆け抜けた不世出の天才。そのおよそ2/3にあたる3720日を旅に過ごし、生まれ故郷を遠く離れたウィーンで客死。人生そのものが旅であったモーツアルト。常に新たな出会いから刺激を受け楽想が豊かに湧いてきた。フランス革命を挟む大激動の時代に彼は生きた。宮廷か教会に抱えられる以外に音楽家の生きる道がなかった時代に育ち、時代を先取りして演奏会・レッスン・作曲の収入で独立。時代の寵児として成功するも、革命と戦争に伴う不景気で困窮し、不遇の死を遂げる。モーツアルトですら不要不急とされたのか。2025/05/22
Mof
2
読みやすかった。モーツァルトは本当に天才だったんだなあと思いました。映画監督っぽかった。あるいは劇作家。オペラって韓流ドラマみたい。2022/01/15
まこちゃん
1
モーツァルトの生涯を史実に基づいて時系列で追いつつ物語としてもちょうど良くふくらみがあり楽しく読めました。幼い頃のマリーアントワネットとの接触は史実ではないがあり得なくはないものして語られていること、死の間際に親しい友人達がモーツァルトのベッドを取り囲み依頼されたレクイエムを実際に歌い合わせていたことなど新たに知ったエピソードが印象に残りました。当時の社会状況や人間関係など作品が作られた背景をもう少し詳しく知りたい、という欲求にちょうどよく答えてくれる一冊です。2024/02/25
い
0
こういう天才はお宮仕えは無理だろうな。今の時代のほうが生きやすいかもしれない。奥さんが違う人で、ヴォルフガングの体調や金銭をきちんと管理できていたなら、後世にもっと作品を残せていたかも。悪妻じゃなかった説もあるようだが本書ではだいぶ批判的立場。親戚の描いた肖像はなぜ未完なのだろう。2025/02/23