内容説明
黒船とともにやってきた西洋の響き。ギターが渡来し、大正時代に花開いたニッポンの音楽を、当時の貴重な証言と、先人の活躍でたどる!近代日本の西洋音楽史であり、ギター史でもある貴重な本!日本人にとって「三味線がギターに変わった日」。
目次
第1章 ギター渡来前史
第2章 西洋音楽が街にやってきた
第3章 ギターに魅せられた人々と、セゴビアの奇跡
第4章 武井守成とマンドリン・オーケストラ
第5章 幻のギタリスト池上冨久一郎
第6章 大河原義衛の早すぎた死と、沢口忠左衛門
第7章 小倉俊と中野二郎の執念と、その成果
第8章 戦争で失われた未来と、新たに芽吹いた響き
著者等紹介
竹内貴久雄[タケウチキクオ]
文化史家、音楽評論家、書籍編集者。1949年生まれ。詳細な調査を行なって解説したCD『黎明期の日本ギター曲集』(演奏:山下和仁、日本クラウン)が1999年度文化庁主催芸術祭大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
ギター渡来前史: キリシタン弾圧 ミンストレル・ショー 比留間賢八・精力的なマンドリン普及 西洋音楽が街にやってきた: 最初のモーツァルトは吹奏楽の演奏 音楽と文学の創刊・東京音楽学校への反揆 浅草オペラ セノオ楽譜 楽譜絵葉書 ギターに魅せられた人々と、セゴビアの奇跡: セコビア来日≒黒船来襲 武井守成とマンドリン・オーケストラ 幻のギタリスト池上冨久一郎 大河原義衛の早すぎた死と、沢口忠左衛門 小倉俊と中野二郎の執念と、その成果: 日本的和声の探求 楽譜が私の師 戦争で失われた未来・新たに芽吹いた響き2022/07/02
Mariyudu
0
堅苦しい偏愛的な内容を予想してたけど、とても平易で面白かった。黒船の船上パーティでの余興がミンストレルソング(と踊り)で、それに日本側使節が他愛なく羽目を外してノリノリだったなんて歴史教科書にゃ載らないもんなーw そこから始まる国策でもあった音楽西洋化の推進、昭和4年のセゴヴィア初来日に衝撃を受けるアマチュア撥弦楽器奏者達、等など。興味深すぎて年表を作りながら自分でも調べたくなる。某音楽系ユーチューバーが最近上梓した邦楽通史(未読)と視点がクリソツなので、参考文献として大いに影響を与えてるに違いない。2024/06/25