内容説明
日本でただ一人のきのこライターによる毒きのこスーパーコラム集!
目次
第1章 毒きのこの怖さ
第2章 毒きのことは何か
第3章 食用きのこの毒
第4章 毒きのこの地域性
第5章 歴史のなかの毒きのこ
第6章 文学・マンガのなかの毒きのこ
著者等紹介
堀博美[ホリヒロミ]
1971年、神戸市生まれ。きのこのミニコミ誌を作っていたところ、日本キノコ協会「MOOKきのこ」副編集長に抜擢。廃刊後、フリーのきのこライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jam
81
冴え冴えとした月光だけが冠雪のアルプスにそそぐ。無音の夜の幻想に欠かせない雪が、この冬は少ない。山々の雪は、やがて大地を潤す。昨秋は、きのこが少なく、松茸山の老男曰く「焼けて乾いた夏だったでな」と。そして近年、人の手が入らず鬱蒼とした山は、生命連鎖の営みが弱い。乾いた地のきのこの風貌は荒み、瑞々しさが無くヌメリや照り、色や匂いまでが変化するため判別が難しい。毒きのこには神経を侵し組織を壊し、生命を奪うものもあるから、よくよく気をつけたい。山に分け入るたび、豊穣の秋のなか追った、遠い日の父の背中を思い出す。2020/02/07
booklight
40
よくある毒物シリーズかと思ったが違った。通常+αの説明に、毒キノコを食べた事例が並ぶ。その書き方が怖い。ちょくちょく自分でも毒きのこを食べている。ちょっと壊れている。毒ってなんだろう。カエンダケのように触れてもいけないモノから、スギヒラタケのように最近まで食用にされていてたモノまである。そして毒きのこというものに惹かれてしまう人が一定数いて、毒と食用のボーダーで遊んでいる。人の興味は幅広く深く、人の範疇も超えている。食べ物に溢れたこの時代でも、そういった興味が人に残っているのが不思議だし、面白くもある。2020/12/27
くさてる
25
どういう本なのかな?と思いながら手に取ったのですが、内容は具体的な毒キノコの紹介と、中毒体験記、毒キノコのに関する迷信や、創作の紹介など、丸一冊が毒キノコ。こういういい方は問題あるかもしれませんが、それぞれが物語のように興味深いです。こんなに怖いものが身近にある面白さ。毒に興味がある人におすすめです。2020/01/30
らん
24
ヒグチユウコさんの可愛いらしい表紙をめくると著者の毒きのこ中毒体験や毒きのこを食べた方の事例、毒きのこの怖さが真面目に語られています。意外にもそこらへんに生えているきのこを食べる人の多さに驚いたけれど食糧がなくて食べた家族の事例は痛ましい。生で食べるマッシュルームサラダ好きだけど火を通した方が良いようです。「どんなきのこも生で食べると中毒する」との事。マツタケアレルギーがある事、生で食べて起こるシイタケ皮膚炎等も知れて良かった。どんな優秀な食用きのこでも腐敗したきのこには害があるので気をつけよう!2023/05/31
花林糖
22
(図書館本)毒きのこマニアが語る「毒きのこ」の本。図鑑でもないが学術書でもない肩の力を抜いて読める本でした。<毒きのこの怖さ・毒きのことは何か・毒きのこのお話(44毒)・食用きのこの毒・毒きのこの地域性・歴史のなかの毒きのこ・文学漫画の毒きのこ>各章にコラムがあり、日本中毒情報センターの中毒110の番号も記載されている。2019/11/25