内容説明
山岳雑誌『山と溪谷』やクライミング専門誌『ROCK&SNOW』の編集長をつとめ、NHKの登山番組「実践!にっぽん百名山」で「萩原編集長」の愛称でレギュラー解説者をつとめた筆者が、50年の登山経験のなかから「あれは本当にヤバかった」という山行をピックアップ。命を落としかけたシリアスな体験から、笑い話で済んだささやかな失敗談まで、18の危機体験を教訓とともに紹介する。
目次
第1章 落石
第2章 雪崩
第3章 落雷
第4章 転落
第5章 道迷い
第6章 強風
第7章 熊
第8章 高山病
第9章 海外登山
第10章 山の怪
著者等紹介
萩原浩司[ハギワラヒロシ]
1960年栃木県生まれ。82年青山学院大学法学部卒。小学生のころより父親に連れられて日光・那須の山々に親しみ、高校・大学時代は山岳部に所属。大学卒業後は山と溪谷社に入社し、『山と溪谷』『ROCK&SNOW』の編集長を歴任する。現在は特別編集主幹として主に山岳図書のアドバイザーをつとめる。2013年、母校・青山学院大学山岳部のアウトライアー(7090m)東峰登山隊に隊長として参加し、初登頂を果たす。同年から5年間にわたってNHK‐BS1『実践!にっぽん百名山』のレギュラー解説者として出演。日本山岳会常務理事、「山の日」アンバサダー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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goro@the_booby
54
山行歴50年の萩原編集長のヒヤリハットの数々の顛末を事象ごとにまとめられたとても貴重な体験集です。山に入れば雨にもビビるしましてや雷が聴こえてきた日には不安でいっぱい。夏が来れば思い出す~とウキウキ出掛けた尾瀬に残っていた雪は怖かったわ。アイゼンもなしにどうやって下りればいいいのか、ヤバいところに来ちゃったなと思いつつ、ポールをグサッグサッとと刺しながら恐る恐る下りた。出来れば経験したくないのだが先人の教えは素直に聞いた方が良いと思う次第です。編集長の経験の数々勉強になりました!2020/12/25
roatsu
23
落石や雪崩、落雷から熊や山の怪まで全10章のテーマごとに萩原編集長の登山キャリアから危機一髪の体験を掘り起こし、読者に教訓を提示するケーススタディ。テーマとは別に登山スタイルの多彩さやヒマラヤを含む国内外たくさんの山々を登ってきた経験豊富さにも改めて驚く。萩原編集長の語られざる豊富な登山遍歴として読むこともできる。生粋の山ヤが日頃どんな心構えで山での危機に備え対処しているか、大変勉強になると思う。決定的な事態に至らず、あの時は危なかったなあで済ませられることは地味に凄いことだと実感する。ユーモアがあり、2020/06/26
スプリント
9
登山の素晴らしさだけでなく自然の厳しさ、危険について実体験をもとに教訓が書かれています。ラストのオカルト的なエピソードが強く印象に残りました。2020/07/23
ろし
7
多くの山に登っておられる編集長だから、色々な危険な状況に直面し、それを回避してこられたのでしょうか。 山行の様子も臨場感があり楽しく読ませていただきました。 低山ばかりですが、これからも安全登山で楽しみたいと再認識させられた一冊です2021/06/09
ふたば
7
小学生の頃から、今に至るまで山になじんできた著者が出会った、大事には至らなかったが、一歩間違えれば。。。という危険な状況を書き記した一冊。一つ一つトピックの後につけられた『教訓』が簡潔ながら、山に行く者は誰しもが心にとどめておく必要のある、重要なポイントとなっている。登山には、いつも隣に危険が付いてきていると、心して臨まなければならない。そう改めて認識させてくれる。2020/07/05
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