内容説明
遭難という極限状況のなかで生き抜いた登山者たちの生還のドキュメント。
目次
思い込みの落とし穴―北アルプス/南岳
行き詰まった沢ルート―福島/飯森山
フラッシュが救った命―北アルプス/西穂高岳
十七日間の彷徨―志賀/岩菅山
暗転の沢―南アルプス/仁田沢
修験道の道迷い―大峰/釈迦ガ岳
風雪にかき消された下山路―北アルプス/槍ガ岳
追記―七つのケースの教訓より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわ
15
山岳遭難の生還者が語るドキュメンタリー、道迷いや山道から外れた滑落、山奥をさ迷い続けながら弱ってくる身体、やがて訪れる死の恐怖、特に遭難の舞台となった南岳、西穂高岳、槍ヶ岳、釈迦ヶ岳は登山経験もあり、遭難の恐怖が手に取るように伝わりました。最近は美しい山岳風景に笑顔の女性登山者が山の楽しみ方を伝えた山岳情報誌を多く目にしますが、このような山岳遭難こそ必ず掲載頂きたいと思います。2016/09/23
e r i .
11
羽根田治さんの本は分かりやすく読みやすいと思う。登山される方の体力と精神力ってすごいな、と思った。2014/09/17
らぴ
9
『トムラウシ山遭難』本から始まったマイブームの遭難本(なんつーブーム……)。どれも同じなのではないかと思いつつ読んだ数冊がそれぞれに興味深かったけれど、この本は特に感心しながら読んだ。単独登山遭難からの生還者全ての精神力に感動。2010/11/28
moe
6
山歩きが趣味の普通の人が遭難し救助された事例をいくつか挙げ、なぜ遭難しなぜ助かったかを分析しています。大変分かりやすく登山初心者にはおススメです。2011/03/21
kuragemaru
4
山で遭難し、生還した人たちのドキュメント。生還がわかっているから安心して読める思ったら、甘かった。怖い事例が一杯! 生還した人たちには、生きて帰るという意思があった。私、あんなガッツない……。生還者の一人が語る。「仕事上の悩みや家庭の不和などがあって、世の中に絶望している状態のときに遭難したら、生きることを放棄してしまうような気がする」(p238)。複数の生還者が、比較的早い時期から幻覚を見ていたのが怖い。そして、火が人の心を支えるものだと、改めて感じた。山に行く人はマッチとろうそく必携。2023/06/28




