内容説明
“登頂なきアルピニスト”が綴る半生の軌跡。悪ガキが思いもよらぬ警察官に。山岳警備隊の発足当初から参加、剱岳や立山と向き合いながら人生の大半を山に捧げてきた元隊長の半生記。命懸けの救助活動に明け暮れた喜びと悲しみの日々を、熱き想いとともに綴る。
目次
1 警備隊とともに歩む(悪ガキが警察官に;富山県独自の救助スタイル目指して)
2 生と死の境で(遭難救助活動の現場;怖い二重遭難 ほか)
3 雲上の交番から(雲上の交番日誌;中高年登山者の現状を憂える ほか)
4 剱岳と三十年(山から学んだもの;これからの救助活動)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
66
初読。2015年981冊め。お気に入りの「お巡りさんシリーズ」。根性なしの怖がりとしては、登山は初夏の気候のいい時期だけにしようと再確認。恩を仇で返す、後足で砂をかけるような被救助者の存在にはあきれ返る。そういえば昨年くらいにも、救助隊員が殉職された遭難事故で救助された若者が「いい経験になりました」とかネットに書いてたトンデモ事件があったなと思い出す。2015/08/14
ユー
6
どんなに腹が立っても、どんなに自分自身が辛くても、置かれた立場を心底から理解し、職務を全うして行く。山へ入れば誰であろうと関係無い。そこで困っている人達がいる限り、助ける。「心」が寛大でないと務められない職業ですね。2017/02/15
西澤 隆
3
「つらいけどつらくない」で無理して無理して救助する警備隊のひとたちの姿には本当に頭が下がる。でも彼らは「だから山に来るな」とは言わない。滑った跡が雪崩のきっかけになったりする山でのスノーボードを「やってみたい」と言ったりと、あくまで山に来るひとたちへの目線は温かく、しかも山好きだということが伝わってくるのだ。そんなひとたちだからこそ「遭難予備軍」的な山を甘く考えたり装備が足りなかったりするひとたちへの苦言は最小限ながら絞り出した本音。だから現場を踏むひとに部外者は半可通的な物言いはできないなと痛感するのだ2014/09/29
沼田のに
1
丈夫な体と強靭な足腰、潤沢な体力と不屈の闘志と忍耐、困難な任務のチームを纏める統率力と本一冊を書き上げる頭脳と正邪を善悪を正しく判断する社会性を持つ作者のような人になりたかったと思うけど、もう遅いね。2019/01/29
nonnon
1
★★★★☆2018/04/28