内容説明
峠をテーマに深田久弥が編集したアンソロジーから、登山家や文人が記した明治から昭和初期にかけての代表的な紀行を収める。古来人の生活と深い関わりを持ってきた峠路を辿り、その情趣を味わい、歴史や土地の暮らしを偲ぶ名紀行三十一編。小島烏水、尾崎喜八、若山牧水、木暮理太郎、田部重治、柳田國男ほか、個性豊かに、味わい深い峠の旅を綴る。
著者等紹介
深田久弥[フカダキュウヤ]
1903(明治36)年~1971(昭和46)年。石川県生まれ。東京帝国大学文学部哲学科中退。福井中学で登山を始め、一高旅行部を経て、帝大でも登山を続ける。帝大在学中から「改造」編集部に採用され、「新思潮」「文学」などに参加して、作家として立つ。戦後は、登山・探検関係を中心に執筆活動を行なう。1964年刊行の『日本百名山』で、第16回読売文学賞を受賞。ヒマラヤ、シルクロード研究にも力を注ぎ、『ヒマラヤの高峰』『中央アジア探検史』の代表作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
8
小島烏水の足馴峠に始まり武田久吉の小仏峠まで、往時の岳人や文筆家達の峠越えを含んだ山行記から深田久弥が選したもの。明治末期の頃から昭和中頃まで、深田翁が顧みた当時から更に長い時を経た現代で読み返すと大変興味深い。登山者であれば対象山域の地図も頭に入っているので、現代の行程と照らし合わせるのも一興だろう。一番すごいのは皆さんほぼ徒歩だけで往来したこと。現代のマイカーを始めとする交通至便なある意味異常な時代と異なり、行程のショートカットが存在せず全て己の足で歩き見聞する体験が山の旅にこの上ない詩情と感懐を与え2026/02/10
やっちゃん
4
100年ほど前の峠に関するヤマレコと言っていい。それも山岳界の大御所によるものでさすがに風景描写は読ませるものがある。生活の道である峠には歴史があるがこの時代であっても廃れた峠ばかりで侘しさを感じられる。八十里峠やら清水峠など登頂にこだわらず昔を偲んでじっくり歩くのもいいなあ。2022/09/17




