内容説明
「沢ヤとは何か」を常に自問しながら、日本各地の渓谷、さらには世界の渓谷へとあふれ出す、感性の沢ヤ・成瀬陽一の世界。沢ヤのバイブル『俺沢』が近年の記録も満載し、さらなる進化を遂げて復刊!
目次
第1部 俺は沢ヤだ!(俺は沢ヤだ!危機一髪!―台湾・豊坪渓下流部;沢ヤ・成瀬の生い立ち;日本の大渓谷―黒部川・剱沢;ゴルジュとエロスの不思議な相関―称名川・ザクロ谷;大滝登攀の密かな悦び―虎毛山・春川万滝沢;探検的沢登りの勧め―富士山麓景ヶ島渓谷と御嶽山赤川地獄谷;神の領域・大理石の回廊―台湾・三棧渓;沢ヤの地平を拓くもの・世界における沢登りの可能性)
第2部 沢登りの地平線―続・俺は沢ヤだ!(沢登りの地平線―レユニオン島の沢登りを終えて;台湾の怪物―台湾・豊坪渓完結編;眠れる巨龍―称名川・ハンノキ滝登攀;神話の誕生―四国・高瀑登攀;常識を覆すハワイ火山島の渓谷群―カウアイ島ワイアラエ・ストリーム;地球の底から地獄の穴へ―レユニオン島トゥルー・ド・フェール;日本最後の空白地帯―称名川下ノ廊下;ローズガリー土石流敗退の記―ボルネオ島ローズガリー)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Satoshi
13
沢登りを専門にする冒険家を沢ヤと呼ぶらしい。登山家のようにスポンサーが集まるわけではないが、渓谷を遡上するため自然のコンディションに左右され、命を落とすリスクがある。未踏の渓谷にチャレンジしたり、冒険としての価値は高そう。丁寧に描かれた手描きの地図が興味深い。称名川の美しい写真を見て、未踏のままで良いんじゃないかと思ってしまった。2025/04/11
志村真幸
1
著者は、巨大な沢、危険な沢、海外の沢にひたすら挑戦しつづけてきた人物。 本書では、台湾の豊坪渓、黒部川の剱沢、称名川のザクロ谷、レユニオン島のトゥルー・ド・フェール、ハワイ・カウアイ島のワイアラエストリーム、ボルネオ島のローズガリーなどに挑んでいる。 すさまじい水流、切り立った断崖、増水、寒さなど、恐ろしいほどの障害が次々にあらわれ、工夫と胆力と体力で乗り越えていく。人跡未踏の場所も多く、よく遭難しないものだと感心させられる。 沢登りがもっているスケールの大きな魅力を感じさせてくれる一冊だった。 2021/11/03
さんま
1
外道クライマーと似たような本をと思い手に取った。あまり日の目を見ない沢登りをここまで熱心に行っている人がいることに驚いた。日本だけでなく世界中に多くの沢があり、その原始性や未知への探検要素は登山よりも高いと感じた。 2021/07/22
犬丸#9
0
★★★☆☆ 一般登山道で満足しているワタクシには到底辿り着けぬ場所を歩む方の記録。ページ全てに情熱が詰まっており,その生きざまは面白い。が,さすがに2冊分を1冊に詰め込むと「本」としては単調かな。2021/10/14