内容説明
―タープを張るなら深い森を背後に抱えた川畔がいい。渓に沿って流れる風が煙とともに森と同化してたなびいていく。タープの下で小さな吐息をつく。やがて日が落ちて辺りは沢音だけが支配する。闇が森をうずめ焚き火の炎を浮かび上がらせると静寂が、ゆっくりと私を満たす―。本書は著者・高桑信一が長年の沢登りの経験で培った野外生活技術のほか、渓の装備などを紹介。
目次
1章 渓の基本装備(ザック―ザックの変遷;渓流足袋―足袋一辺倒 ほか)
2章 タープを張り、火を熾す(タープ―渓と森に同化する;鋸―男の武器1 ほか)
3章 源流釣り(テンカラ竿―テンカラとは;和竿―いつ使う? ほか)
4章 渓から渓へ(おじさんたちの夏 東北の秀渓にて;秋の浦和浪漫OB山行 ほか)
著者等紹介
高桑信一[タカクワシンイチ]
1949年、秋田県生まれ。電電公社からNTT勤務を経て2002年に退社。「ろうまん山房」を設立してフリーランスに。浦和浪漫山岳会OB会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
13
日本に「沢登り」と言う登山スタイルを確立、普及させた著者の入門書のような、エッセイ集。学生時代に『古道巡礼』を読んで以来の購入。意外と、ホームセンターや百均も活用されており、よくこの手の本にある、クソマニアの道具自慢とは一線を画するものである。2021/04/10
じじちょん
3
筆者が沢登りで使う道具や釣った魚の捌き方、火の熾し方など写真と文章で記している。見開き1pなのでどこから読んでもいい。写真がいいし、何よりうまそうにタバコを吸う筆者の姿が良い。有名ブランドの道具でなく、ホームセンターなどで売ってる身近な道具が多いので、共感するものはある。生死を分けるものはちゃんとしたメーカー品を紹介しており、要所は押さえてある。2021/06/18
オカヤン
3
一般的なハウツー本でなく、私的な感じが綺麗です。載ってる写真が素敵です。2019/04/05
run
2
再読。2023/04/07
Jau
1
読んでない。 表紙の写真で想起される原始的、口伝的世界に対して、 本で伝える様式が 対置でおもしろい存在だと思った。2022/07/16