内容説明
本書は、一九九三年十一月四日に東京大学で開かれた一九九三年度の史学会日本史部会(古代・中世)のシンポジウム「城と館を掘る・読む―城館研究再考―」の成果を中心にして編集したものである。シンポジウムは、近年日本史学・考古学・建築史学などの諸方面で盛んに研究成果を挙げつつある城・館の歴史に焦点を当てて、とくにその古代から中世にかけての「橋渡し」を図ろうと企画したものであった。
目次
古代・中世の城と館
庁と館、集落と屋敷―東国古代遺跡にみる館の形成
堀の系譜
平安時代の「国」と「館」―地方における権威をめぐって
北部九州の古代防衛施設
鎮西における居館の出現と展開―豊後大友一族を中心として
空間としての「城郭」とその展開
館の社会とその変遷