内容説明
急成長する資源大陸アフリカで国境を越える紛争・犯罪が吹き荒れている。成長の果実はどこへいったのか。先進国の草刈り場として暴力なき成長が実現できない実態を現地特派員が追う。
【主な内容】
序 章 資源大陸で吹き上がる暴力/第一章 格差が生み出す治安の崩壊/第二章 「油上の楼閣」から染み出す組織犯罪/第三章 「火薬庫」となった資源国/第四章 グローバリズムが支える出口なき紛争/第五章 世界の「脅威」となった無政府国家/終 章 命の価値を問う
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koba
22
★★☆☆☆2019/05/17
Kuma
11
著者の取材力やばい。武装勢力と接触ってできるものなんだ…。人身売買や軍資金の出所、蔓延る汚職と賄賂、先進国の思惑、医療の破綻。興味深い内容ばかりだった。世界腐敗指数(トランスペアレンシーインターナショナル)ふむふむ。2019/03/11
ゆずこまめ
7
ものすごい迫力のルポ。実際に自分の足で現地を歩き、見たり聞いたりした人にしか書けないと思います。印象的だったのは、暴力は国境を越えるということ。アフリカの現状を遠い国の不幸と思っていても、貧困と混乱は海賊のような暴力や犯罪やテロリズムとなって先進国の私たちにも襲い掛かる。読んでおくべき1冊です。2012/04/01
kan
6
暴力と腐敗の蔓延る場所では、人間の善意や尊厳などというものは一切通用しないという辛い現実が、筆者の渾身の取材から伝わってくる。石油やレアメタルを目的に、めちゃくちゃに搾取する先進国や企業を批判するのは簡単だが、私もその恩恵を受けてしまっている一人だというジレンマが苦しい。それにしても中国の、EUや北米がアフリカから手を引いた後に入り込む目利きと手際の良さはなんなのだろう。中国の意図やヨーロッパ視点からのアフリカというのも見えてくる良質なルポだった。2021/07/19
印度 洋一郎
6
毎日新聞の特派員だった著者による、アフリカ各地で取材した「猛烈な格差が生み出す暴力の現場」の実態。レアメタルの宝庫であるコンゴ民主共和国、産油国スーダン、そして破綻国家ソマリア、どこでも秩序が崩壊し、あるのは力のみというマッドマックスや北斗の拳の世界がリアルに出現している現実。アフリカ一の大国でもある産油国ナイジェリアの石油に依存する歪んだ社会や、やはりアフリカ一の経済大国南アフリカの崩壊する治安など、豊かな国でもその歪みが露になっている。そこには先進国の暮らしを支えているという構図もあり、闇は深い。2016/03/18
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