出版社内容情報
源頼朝の生涯を描きながら,武家の棟梁として,いかに各地の武士団を締め上げ,王となっていったのか。周辺の人物を交えて紹介する。2010年刊行・品切となっていた同タイトルの新装版。
内容説明
日本型の権力システムの祖型は、いかに誕生したか。内乱の時代を背負った「天下草創」の立役者、「鎌倉殿」頼朝の苦悩と遺産とは。武家を選択した内乱の諸相を躍動感ある筆致で語る。
目次
第1部 治承四年―反乱から内乱へ(謀叛の政権;武威の来歴と源氏神話;義仲との覇権争い)
第2部 文治元年―鎌倉殿は誕生した(鎌倉殿とは何か;天下草創の時代)
第3部 建久元年―そして日本国の成立(鎌倉殿のさらなる戦い;内乱の終焉と日本国)
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
1952年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程満期退学。学習院大学助手、現在、日本大学文理学部教授(特任)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フランソワーズ
4
著者が言うように「頼朝伝」ではなく、「頼朝論」。しかも政治家としての頼朝として、治承、文治、建久の3つの時代をくくりとして論述しています。中でも興味をひいたのが、頼朝政権が平家政権と異なり、反乱軍から興った事。常にそれに規定されつつも、時にそれを逆手に取るという、政治家としての強かさが窺えるところなどでしょうか。とにかくかなり読み応えのある歴史一般書と言えます。2022/05/14
みこ
1
以前勉強した土方歳三と同様、頼朝も最初から鎌倉殿だったわけではなく、様々な経験を通して鎌倉殿になったのだと感じた いま歴史を振り返ると頼朝が官軍であるのは当然にように感じるが、その時時はいつもすべてを失いかねない決定だと思われる、そのような決断を繰り返しているのであれば、確かに非常で強いリーダーになったのであろう2022/12/31
はぎはぎ
1
大河ドラマをきっかけに鎌倉幕府成り立ちに興味が出て、図書館で本書を見つけて読んでみました。感想としては、自分の点の知識が、大河ドラマで見た内容も交じり合って、少し広がった感じ。本書読む前に吾妻鏡の入門書買って、まだ読み始めたばかりなので、もう少し知識を深めたい2022/07/10
うしうし
1
頼朝の人物の全容ではなく、頼朝とその時代の内乱についての歴史的意義を格調の高い文章で記した書籍。3部構成とし、「治承4年(1180)」・「文治元年(1185)」・「建久元年(1190)」に、特に焦点を当てる。ただ、プロローグ・エピローグの対談等は、著者のみならず、編集者も斜に構えた感じを受け、これを含めて、本書全体についてもあまり好きになれなかった印象。2022/06/13