内容説明
北海道は「宗教の博物館」。先住のアイヌ民族と和人が共存する北海道に、どのように宗教が根づき、それがどう信仰されてきたのか。北海道民の「心の軌跡」。
目次
第1章 海を渡った「みちのく」の古代天台宗―有珠善光寺を手がかりに
第2章 松前藩の宗教政策
第3章 菅江真澄がみた近世の宗教と信仰
第4章 史料が語るアイヌの生活と信仰
第5章 トラピスト修道院の世界
第6章 神社祭礼の構造
第7章 現代に息づく民間信仰
附論 北海道宗教の出版文化史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
アイヌの章は資料の原文と要約になっている。アイヌ語にも精通していた最上徳内の『蝦夷草紙』からの引用等など。「名家に飼おく赤熊成長し、大熊となりたるを撰み、其乙名その熊に向ひ、因果、因縁をとき示し…「大幸なるかな我熊よく聞け、此秋氏神の生贄に備はる也。必ず未來は人間に変生すべし。よつて是をたのしんでいさぎよく生贄に立つべし」といひ聞かせ、後縛縊し…殺し終て後其死骸に種々の供物等を備へ、佛家の百味の飲食を備へて、施餓鬼供養をするが如し。…是大祭の禮式なり。土人是をイヨウマンテといふ。則ち大祭といふことなり。」2024/07/14
yanapong
1
中世~現代の北海道宗教史を文化史的視点からコンパクトにまとめる。もちろん、和人だけでなくアイヌにも目配りしている。2011/05/29
ブルーローズ
1
表紙はアイヌを描いた絵だが、アイヌの生活と信仰が少し。開拓地として本州から入ってきた宗教が少し。開拓を支えたキリスト教、特にトラピストについてが少し、というような構成である。四国・本州とメンタリティが道民がなぜ異なるか、と思ったときの解決の一つ。2009/11/06
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