出版社内容情報
天下統一を目前に死した織田信長。本能寺の変の真相を再検討することで、信長による天下統一の思想や政策、それにより生じた派閥抗争、足利義昭との対立などを解説し、信長政権という歴史の転換期の本質に迫る。
藤田 達生[フジタタツオ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古古古古古米そっくりおじさん・寺
53
山川出版社が出している、日本史リブレット人というカバーをかけたブックレットのシリーズの1冊。この信長の巻を書いた藤田達生という学者さんは、信長に追放された足利義昭が、毛利を頼って備後鞆の津にいたのを「鞆幕府」と呼び、本能寺の変足利義昭黒幕説のようなものを唱えている人である。本能寺に黒幕がいたというのはいろんな論者に否定されているのだが、決して引っ込める事なく唱え続けている人である。織田信長も近頃は長年の過大評価の反動で軽く見られがちだが、藤田先生は近年の信長の過小評価を否定している。だから選ばれたのかな。2022/01/09
こまさん
2
織田信長を中心としつつも、著者の鞆幕府や本能寺の変四国原因説を展開する。ただ、薄い本という媒体のせいでもあるのだが、自説展開だけで論争になっている部分を捨象しているのが不満。2018/04/20
カラス
1
本能寺の変と信長政権の実像に迫った本。「鞆幕府」「安土幕府」など興味深い言葉が並ぶが、本来新書で書くべき内容を無理矢理リブレットに詰め込みました感があり、わかりにくくはないものの、多少の物足りなさは感じる。歴史を記述するというよりも、歴史の見方を少し変えて見ようというスタンスの本なので、歴史に関する基礎知識がないとつらいが、信長の人生なんて誰でも知ってるから、これでいいかという感じもする。俺が副題をつけるなら「鞆幕府VS安土幕府」ってつけるかな、ちと物足りない内容だが、なかなか興味深い内容だったぞ。2018/08/17
ウドのコーヒー
0
光秀と絡めた織田信長論。本能寺の変が将軍義昭を奉じるクーデターであったと、従来の突発的なものとは異なる、光秀の計画性を認める主張。であるならば、何故その光秀に連動した動きを毛利が示さないのか疑問が残った。2020/11/18
オルレアンの聖たぬき
0
本能寺の変の真相はこれだ!という本にありがちな『光秀ならそうしたはずに違いない』『光秀はそう思ったはずだ』のように推測ではなく、一次資料を丁寧になぞった上で結論に導いている。薄いリーフレットのようなサイズではあるが、中身は本当に濃い。2018/05/09
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