内容説明
「日本」という国家ができあがった時の都が藤原京である。藤原京については近年、重要な発見があいついでおり、従来のイメージが一新されようとしている。一九九六年から四年余、わたしはその藤原京の発掘に従事した。その間の自分自身の「まとめ」としても、一度は藤原京の概説書を書いてみたいと思っていたが、念願がかなった。近年の研究と発掘調査の成果をふまえながら、藤原京の成立とその軌跡をたどり、都の姿を再現。
目次
1 古代都市の成立(宮の固定;大極殿の成立;京の成立)
2 藤原宮の調査(持統天皇;藤原宮の位置;藤原宮の構造;藤原宮の造営時期)
3 藤原宮木簡の意義(木簡の出土;郡評論争;藤原宮木簡と大宝律令)
4 藤原京の諸問題(岸俊男の藤原京復元;藤原京の造営過程;大藤原宮説)
5 藤原京から平城京へ(藤原廃都;藤原京の景観;市の機能;唐制の導入)
著者等紹介
寺崎保広[テラサキヤスヒロ]
1955年生まれ。東北大学文学部卒業、東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。専攻、日本古代史。現在、奈良大学文学部教授
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感想・レビュー
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紫
3
2002年刊行。21年前に出版された藤原京研究の「最前線」であります。飛鳥時代と奈良時代の境目、藤原京時代をざくっと予習する目的で読んでみたところ、発掘調査の成果から藤原京の実態を復元してみるといった内容でした。世界帝国として栄えた大唐帝国も、天武・持統の治世の時点ではまだまだ海のものとも山のものともつかないぽっと出の新興国。藤原京は唐の長安城ではなくて、むしろ伝統的な中国の都城がモデルだったなど目から鱗の話題もありましたが、この時代の政治や文化を調べる目的なら他の本を当たった方がよろしいかも。星3つ。2023/06/27
こずえ
0
都市工学系の人もよもうね