出版社内容情報
史料をもとに、皮革の生産・流通・加工・消費の過程を分析し、近世社会のあり様、地域社会の変容を描き出す。部落史や身分制の視点から研究されてきたテーマを、流通史研究の視点で捉え直す。
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〈目次〉
序章 皮革流通史研究の課題
1 皮革流通史を分析する視角/2 皮革流通の具体像/3 流通史研究/4 本書の課題と構成
第一部 皮商人と皮問屋
第一章 西日本における皮革流通と皮問屋の手代・手先
はじめに/1 手代/2 手先/3 手代・手先の活動と流通構造の変容/おわりに
第二章 十八世紀末の皮革流通構造の変容と皮商人―津山藩を事例に―
はじめに/1 鞣革の生産および消費について/2 天明四年時点の皮革流通のあり方/3 寛政期前後の津山藩における牛馬皮の取引/おわりに
第三章 近世の鞣革流通とその変容について
はじめに/1 文化期から天保期にかけての鞣革流通について/2 嘉永期における鞣革生産地と皮問屋/おわりに
第四章 周防のかわた―徳山藩を中心に―
はじめに/1 滞銀訴訟の過程と舟運の役割/2 周防のかわたの存在形態と集荷活動について/3 豊後のかわた/おわりに
第二部 藩専売制をめぐる人びと
第一章 筑前国熊崎村の皮革流通構造
はじめに/1 熊崎村の買子/2 買子による荒皮の集荷/3 西日本の牛馬皮流通構造と熊崎村/おわりに
第二章 皮商人と福岡藩革座
はじめに/1 福岡藩革座設置の背景/2 辻村革座と牛馬皮の流通構造/3 柴藤革座による皮革流通の把握とその影響/おわりに
第三章 革座による下請の設置とその影響
はじめに/1 柴藤革座による下請設置の背景/2 下請の構造/3 下請設置の影響/おわりに
第四章 幕末の皮革専売制―福岡藩の松原会所を中心に―
はじめに/1 福岡藩による会所設置の背景と会所の仕組/2 万延元年の仕組改正と大坂への売り渡し方法の変化/3 皮問屋の対応―小倉藩を事例に―/おわりに
終章 皮革流通と近世社会
1 近世の皮革流通構造とその変容過程/2 皮革流通と近世身分社会―利害集団としての皮商人―/3 生産・流通・加工・消費の局面にみる商品としての特質/4 皮革の藩専売制の特質/5 今後の課題と展望
あとがき
付録-索引
【目次】



