内容説明
わが国では生涯結婚しない男女が増えてきた。離婚も増え続けている。一方で、婚前性交渉も当たり前になったし、少女の「援助交際」がマスコミを賑わす。われわれはいま、旧来の性倫理や結婚という社会システムが音をたてて変化するさまを目の当たりにしている。こうした文化的な変容に翻弄されないためには、人間の性の生物学的な実態を正しく知って対処する必要があるだろう。本書では、様々な民族の様々な男女の性にまつわる多くの複雑な現象を述べるとともに、それをヒトの親戚ともいうべき“サル”という鏡に映し出すことによって、「人間にとって性とはなにか」というテーマに鋭く迫る。
目次
第1章 人類の来た道(浪費家の哺乳類;ひとりきりの生活と仲間のある生活(原猿類の社会) ほか)
第2章 性行動(セックスへの誘い方;パートナーを選ぶ ほか)
第3章 性のかたち(若者宿;よばい ほか)
第4章 結婚(結婚はだれのためにするのか;結婚はおとなのもの ほか)
第5章 結婚はどうなるか(仮説一「人類社会の祖型=チンパンジー型の社会」;仮説二「人類社会の祖型=ボノボ型の社会」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
FK
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ざっと目を通す。それでも新知見というか、今までまったく想像もしなかったこと・思いも寄らなかったこと等々に出会えるのは楽しいことだ。/愛は母子関係に由来する心理だとわたしは考えている。ヒトは、その形や行動を見ても、子供に特徴的な要素を色濃く残している。言い換えると、ネオテニー的な特徴を持っているのである。心も幼さを残している。だから、おとなになってもよく遊ぶのである。(P.124)/ 共感というのは、相手の行動からその心を読み取りうまくこれに対処するために生まれたものだろう。(P.153) 2016/02/05
らむだ
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霊長類から読み解く性・愛・結婚といった内容。2012/11/22