内容説明
ヨーロッパでのビーヴァー・ハット熱から繁栄した、北米の毛皮交易は、世界第二の国土を持つカナダを生みだしただけでなく、ユニークな魅力に満ちている。インディアンとの対等な交易・結婚関係、美しいバーチバーク・カヌー、混血先住民メイティの誕生、勇壮なバファロー・ハント、英・仏・露・米の北米分割競争etc…新しい「北回りの世界史」への可能性を秘めた、知られざる毛皮交易の歴史を、北のハドソン湾に訪ねてみよう。
目次
1 カヌーとビーヴァー
2 毛皮交易と先住民
3 多くの優しい絆
4 メイティの憂愁
5 毛皮帝国の落日
著者等紹介
木村和男[キムラカズオ]
1947年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、筑波大学歴史・人類学系教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛇の婿
16
カナダの歴史に大いに影響を与えた北米の毛皮交易の変遷…カナダの歴史なんて日本人にはあまり馴染みが無いかも知れませんが、こうして読んでみるとやはりなかなかに面白いです。なかでもメインで書かれているカナダ混血先住民族メィティの、そもそもの始まりと毛皮交易の関わり、そして現在の立ち位置は実に興味深い…惜しむらくはこの本の性質上初心者向けにざっくりとしか書かれていない事ですが、気になったのなら自分で調べてみれば良い訳でw 良書と思いますw カナダか…少なくともこの本は私にカナダの歴史への興味は喚起しましたww2015/06/09
コカブ
3
カナダ建国以前の、毛皮交易をしていた時代の話。フランスは16世紀にヌーヴェル・フランス植民地を建設し、カナダにおいて毛皮交易を開始した。折から欧州ではビーヴァーハットの人気が高まり、毛皮の需要が大きかった。フランスが毛皮交易を縮小する一方、イギリスは1670年にハドソン湾会社(本日もザ・ベイの運営会社として生き残っている)を設立し、毛皮交易に乗り出した。海岸に交易所を開設し、ファクトリー・システムによって毛皮交易をおこなった。一方でフランス(ケベック)やアメリカ合衆国も毛皮交易を行い、競争が展開された。2015/02/01
-
- 和書
- 染と織の鑑賞基礎知識