目次
現代におけるシャリーア
第1章 イスラーム法とは
第2章 近代との邂逅以前のイスラーム法
第3章 イスラーム法の近代的「変容」
第4章 エジプトの法改革と「イスラーム立法」の影響
第5章 イスラーム復興とシャリーア
第6章 シャリーアの行方
著者等紹介
大河原知樹[オオカワラトモキ]
慶応義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(史学)。専攻、中東近現代史。現在、東北大学大学院国際文化研究科准教授、東洋文庫客員研究員
堀井聡江[ホリイサトエ]
ケルン大学哲学部東洋学科イスラーム学博士課程修了。専攻、イスラーム法、エジプト近現代法制史。現在、桜美林大学リベラルアーツ学群アジア地域研究専攻准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
22
山川が出してるイスラームを知るというブックレットシリーズになるらしい。シャリーアが近代と関わり合ううちにいかに変貌を遂げてきたか?というお話。オスマン時代のそれと、現代のそれ。ことスンニのワッハーブ派は例のアレの思想的源流という捉え方もあるのでその辺も含めてよござんした。薄い割にこのシリーズいいのかもしれない。2015/03/17
ゲオルギオ・ハーン
17
イスラム系国家といえばクルアーン(聖典)を基準に法律を制定しているのか、という疑念を打ち砕いてくれた良書。シャリーアは和訳で『神の法』とされていることもあってクルアーン準拠のように見えるけど、実際はそうでもなく、クルアーンの他にムハンマドの言行(スンナ)、イスラム共同体における指導者たちの合意(イジュマー)、そして実務上での中心となる法学者による合法的な推論(キヤース)で構成されている。そのため、国や共同体の状況によってシャリーアをどのように運用しているかが様々であることが分かり、興味深かった。2020/11/07
ドウ
6
西洋の衝撃の中でシャリーアが変容していったことをコンパクトにまとめた本。4法学派の学説を組み合わせることでシャリーアの成文化が行われたが、こうした都合の良い「接合」によって学説に精通したウラマーの存在が不要になったことの指摘が興味深い。2017/02/05
sovereigncountr
1
イスラーム法の基本概念から前近代における展開を概観した上で、主にエジプトの事例を中心に現代におけるシャリーアをめぐる諸問題を扱った力作。2024/01/20
牛タン
1
内容:イスラーム法の概説、オスマントルコでの法制度の整備、オスマントルコ崩壊後のイスラーム諸国の法体系など。「公の福利マスラハ」を建前にして4法学派の解釈の継ぎ接ぎをするような「宗教功利主義的」なイスラーム立方を批判する。感想:内部からのこういう批判に耳を傾ける必要があると思う。そのためにもイスラーム法学をある程度ちゃんと勉強したいなと思った2015/11/11