出版社内容情報
ゲーテを崇拝してやまなかった著者は,晩年のゲーテに深く愛されてその側近くに身を置いた.ほぼ十年に及ぶ両人の親しい語らいは,文学,芸術はもとより個人生活,諸外国の文化など多岐にわたり,それをまとめた本書は読者もまたゲーテと共に語っているかのような愉しさにあふれている.ゲーテを知るための必読書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
98
読書でここまで存在が身近に感じられる体験は初めてかもしれない。リラックスした気が置けない関係性の中での対話が聴けることに幸せを感じる。ゲーテとお付き合いしている気になる。これから数ヶ月だけよろしくね。対話相手が女性だと尚面白かっただろうね。2021/04/27
マンセイ堂
66
ゲーテの話す一言一言が痛烈で、凄いなと思いました。どこまでもリアリストであるように感じます。「他人を尊重して初めて他人から尊重される」この言葉が特に印象深かったです。I am because of you(あなたのおかげで私がいる)という考えに通じるところがあると思います。2013/12/13
Gotoran
54
ゲーテ晩年に約9年間、身近で過ごした若き詩人エッカーマンがゲーテとの対話を日記形式で綴った記録(上・中・下)。テーマは文学、芸術、科学、人生に及び、ゲーテの深い知見から掘り起こされる数多くの箴言を見出すことができる。序論としてエッカーマンの自叙伝があり、次に、二人の会話の1923年から1927年までの記録。泰然と身構え、自然と人間の調和を常に希求した生身の人間ゲーテの人となりを窺い知ることができた。断続的ではあるが、次巻を読んで行きたい!2019/10/30
しゅてふぁん
48
さぁ、今からゲーテさんと対話しよ~、がここ最近の日課。読んでいるというよりは、本の中からゲーテが語りかけてくれる気分になれる素敵な作品。小難しい印象のゲーテだったけどエッカーマンとの日常の会話からは柔らかい雰囲気を感じ取ることができた。対話の内容は戯曲や文学、芸術など多岐に渡り、本物の知識人とは彼のような人のことを言うんだなと憧れる。ゲーテはシェークスピアやシラー、バイロンを絶賛していて、その中でもバイロンが気になったので詩集を平行して読んでいるところ。ゲーテのバイロン評を聴きながら読めるなんて贅沢だ。2020/12/12
tapioka
40
エッカーマンがゲーテとの交流と対話を記録したもの。この当時の詩や哲学、演劇に対する内容があり、そのあたりの事情は判りませんが、その節々に述べられる人生の深部にかかわる問題についてのゲーテの言葉には、人を本当にうなずかせるものがあり、真理があると思わせるものがありました。普段読書中によい言葉に出会うとメモしているのですが、これまで読んだ中で一番メモを取った程、真理に満ちた素晴らしい内容でした。ゲーテの言うとおり、現代人は過去の偉人の最高の作品から最良の思想を学び、先に進む必要があると改めて思わされました。2016/09/03