内容説明
東南アジア、北東アジア、ヨーロッパ、アメリカ…いくつもの地域にまたがる東アジア。「近代化」の再検討の中で、多面的な切り口から、アジア史の長期変動にアプローチする。
目次
1 東アジア地域システムと日本(アジア国際体系のダイナミズムと構造;東アジア史に見る華夷秩序 ほか)
2 東アジアと東南アジアを結ぶネットワーク(東アジアと東南アジア;マニラの中国人―スペイン植民地の中国帆船貿易 ほか)
3 公式・非公式の東アジア世界(ユーラシアの「大金銀荒」―十五世紀中期の世界不況下の中国と東アジア;江戸時代の「難民」問題―琉球国における漂流・漂着を中心に ほか)
4 世界システム分析の課題(対談・世界的規模で近代社会科学の根本的な見直しを―ウォーラーステイン教授との対話)
感想・レビュー
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思路夢
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国際交流基金の機関誌62号を書籍として出版した論文(?)集。 12の章は興味深い内容が多いが,個々の分量は論文というにはあまりにも短い。扱う時代が長期にわたり章によって異なるため,時代とりわけ中国の体制(明・清など)の違いを常に意識しておかないと,読む方としては若干混乱するところもあった。 巻末に編者濱下とウォーラーステインの対談が掲載されているが,後者は前者の質問とほぼ無関係に自分の言いたいこと(世界システム論に詳しい方なら何度も聞いたもの)を語るのみで,笑えるほどかみ合っていない。2022/03/09