歴史の転換期<br> 1187年巨大信仰圏の出現

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歴史の転換期
1187年巨大信仰圏の出現

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  • サイズ B6判/高さ 20cm
  • 商品コード 9784634445048
  • NDC分類 209
  • Cコード C1322

出版社内容情報

キリスト教圏・イスラーム圏・東アジア圏において成立した普遍性をもつ圏域世界は、12世紀にむかい、さらなる膨張を進めながら、信仰を基盤とする統治の体系(政治社会)として成熟していきます。ローマ帝国の崩壊過程のなかから、アッバース朝を軸とするイスラーム世界の辺境に出現したフランク王国は、ガリア・ゲルマニア・イタリア地域を統合するキリスト教国家のモデルを創出し、ローマ帝国の後継国家という名義を頂くことを通じて、普遍性を継承することにも成功しました。カール大帝という人格において統合されるフランク王国=ローマ帝国という二元国家は、在地の統治機構として成熟を遂げつつ、君主家門を核とする君主国へと成長していきます。徴税と動員のシステムとしての君主国の中核には、裁治権と司牧の体系として社会の末端にまで浸透を始めた教皇権が束ねる信仰世界が広がります。

一方で、イスラーム圏では、アッバース朝における権力闘争を契機に政治的分裂が進み、地域ブロックごとに地方政権が自立し、ファーティマ朝(シーア派:909-1171)、後ウマイヤ朝(756-1031)がカリフを自称した結果、3カリフの鼎立が生じました。こうしたバグダードの混乱のなか、11世紀に入るとセルジューク朝(1038-1194)がバグダードを押さえ、スルタンの称号のもとに武断的な統治を推し進め、広域統治を実現する。強力なカリフ権力のもとでのスンナ派による広域統治は破綻し、地域分権のもとに諸権力が覇を競うなかで、次世代の統治システムが模索された時代が、11・12世紀の中東地域です。

1096年に始まる十字軍は狂信的な信仰イデオロギーに端を発する宗教運動として始まりましたが、1099年のイェルサレム攻略とイェルサレム王国をはじめとする十字軍国家のラテン・シリアにおける建国は、成熟した2つの信仰圏が日常的に接触する空間を生み出しました。十字軍国家を舞台とする13世紀末にまで及ぶ経験は、キリスト教圏、イスラーム圏を構成する国々や人々に、軍事や政治・外交、信仰や思想、交易や人・物資の移動について、新たな局面をもたらしました。

本巻では、普遍帝国の崩壊から巨大な信仰圏が形成されていく過程、巨大な信仰圏の対峙・接触・相剋が生み出す力学とその帰結、統治理念や政治思想、社会制度や文化といったすべてが「信仰」へと回収されていく社会のありようを追究するなかから、「中世」と呼ばれてきた時代の特質を浮かび上がらせることを目指します。

内容説明

宗教の接触・対峙・相克の生み出す力学。中世世界の信仰の広がりと人間社会の関係を考える。

目次

総論 巨大信仰圏の出現
1章 セルジューク朝の覇権とイスラーム信仰圏の分岐
2章 イスラームとインドのフロンティア
3章 仏教王ジャヤヴァルマン七世治下のアンコール朝
4章 巨大信仰圏の交点としての十字軍
補論 ユーラシア東部における「唐宋変革」期

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

18
サラディンによるエルサレム奪還の1187年前後の世界。セルジューク朝を扱った1章では、セルジューク朝の滅亡がイスラーム世界を「アラブ」「イラン・トルコ」に分断する転換点とする。また、ページ数は少ないが補論で唐宋変革論が扱われているのが興味深い。内藤湖南によって提唱されたその説を全面的に否定することはできないものの、内藤が江南を中心に捉えた「中国」をどのように定義し直すか、中国の多元性という近年の研究を反映した提言で、非常に興味深い。2020/10/14

MUNEKAZ

13
1187年はサラディンによるエルサレム奪還があった年ということで、イスラムや地中海世界についての論考が多い。とくに初っ端のセルジューク朝の興亡を描いた章は、「名前はよく聞くけどちゃんと読んだことは無い」というこの王朝のことを簡潔に知れる内容で面白く読めた。また補論として中国の「唐宋革命論」を扱ったものがあり、歴史を見る目というか、文化の違いを優劣とするか、ありのままに差異とするかを問いかける内容で、考えさせられるものであった。2020/01/11

ピオリーヌ

9
タイトルになっている1187年は、シリア・パレスティナにおけるヒッティーンの戦いとサラディンによるイェルサレム奪還の年として記憶される。本書の展開としては西アジア、南アジア、東南アジア、欧州、東アジアの順。セルジューク朝の興隆と衰退、ゴール朝他イスラーム勢力の北部インドへの侵入、ジャヤヴァルマン7世治下のアンコール朝、ウトゥルメールの成立、「唐宋変革」期の華北と華南等読み応えあり。新たな知見を得られる喜び。2021/04/29

naoto

5
一つの年(前後はかなりあるけど)をテーマに、世界各地の歴史を描くシリーズ。1187年は十字軍に取られたエルサレムをイスラムが取り返した年で、中国は金と南宋、モンゴルがこれから出てこようか、ってところ。本には出てこないけど、日本でも鎌倉幕府が1185年だから、武家政治がスタートしたころなんだよな。ちょっと専門的ではあるけど、面白いシリーズ。2020/03/06

takao

1
イスラーム2021/08/31

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