内容説明
複雑なヨーロッパの国際関係と、国内の新旧両教徒の激しい対立のなかでイングランドの女王として君臨したエリザベス1世。窮地に追い込まれそうな場で女王を助けたのは有能な側近たちであった。エリザベスは極めて強い個性をもつ人物であるとともに、家臣の特性を見抜き、たくみに使いこなす点で非常に優れた才能を有していたのである。無敵艦隊を破り、大英帝国への道を幕開けた女王と側近たちの動向をたどってみよう。
目次
テューダー朝の成立と新旧両教の対立
1 エリザベスの即位と新教復帰
2 アルマダ戦争
3 国教会とピューリタンや旧教徒の対立
4 十六世紀イングランドの盛衰
著者等紹介
青木道彦[アオキミチヒコ]
1935年生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒、立教大学大学院文学研究科修了。専攻は17世紀イギリス史。都立高校教師、河合塾講師、川村学園女子大学教授など歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
101
エリザベス1世の功績を簡潔にまとめた本。学術的な文体で書かれているので、小説を読むようにはいかなかったが、面白く読めた。めまぐるしく移り変わる国際情勢の中で、自国の国民を守るために力を尽くしたことが分かる。特にスペインとのアルマダ戦争の際の、国民と共に生死を共にする覚悟があると言う演説は素晴らしい。エリザベス1世下の英国では旧教と新教の対立があったのだが、対立が激化せずに国内が安定していたのは、エリザベスの女性としてのバランス感覚による統治のおかげではないかと思った。2014/12/03
ジュンジュン
6
表紙の肖像画やメアリ処刑などから、冷酷な絶対君主をイメージしていたが、人材操縦術に長けたやり手経営者のよう。ただ、側近集団に重点を置いた記述なので、偏りも感じる。小冊子で、この人物の全体像を把握するのは、そもそも無理な注文なのだろう。2020/11/18
m
2
今気になっている人物、エリザベス女王。映画を観たり、「ブーリン家の姉妹」を読んだり。ロバート・ダドリーはもちろんセシルもウォルシンガムの名前もあって嬉しくなった。簡潔にまとまっていて良書。2023/05/30
叙述トリックに盛大に引っかかりたい
1
エリザベスの治世が簡潔にまとまってる一冊。副題から、側近一人一人に焦点を当てているのかなと思っていたのでちょっと拍子抜け。著者の他の作品も読んでいたこともあって、話自体はさらさら読めた。わりとエリザベスを非難しない著者さんなのかなという印象2020/04/09
にゃんにゃんこ
0
面白さ502020/11/10