内容説明
本書では、メソポタミア文明の最初の担い手であるシュメール人の国家と社会に焦点をあて、そこに生きた人びとの生活や儀礼など、今日とは異なる古代都市文明の姿を、碑文や出土品から生き生きと蘇えらせる。
目次
文明発祥の地、メソポタミア
1 初期農耕村落から帝国へ
2 シュメールの都市と国家
3 シュメールの農業と儀礼
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
45
【始原へ38】メソポタミアの4冊目。人類最初の文明・シュメールに的を絞った概説書だ。良くも悪くも"通説"に従っているが、最初の文明たる所以が簡潔にかつ理論的に整理されていて、文明の起源を考えるにあたって大いに参考になった。著者にとって文明とは、国家の成立をメルクマールとしているようだ。これはこれで判りやすい。シュメールは、遅くとも紀元前3500年には王権が成立し神殿が建てられ都市国家が成立した(ウルク期)。以来、領域国家→統一国家(ウル第三王朝)と発展していくときに、何が加わったかを論じるあたりは↓2021/08/09
サアベドラ
6
120冊を超える世界史リブレットの記念すべき第1巻。本書が取り扱うのは古代オリエントとシュメール。最初の20ページで農耕の開始からアケメネス朝による統一までのオリエント史を駆け足でたどり、あとの60ページでシュメールの王権、社会、農業、儀礼を概説する。同じく一般向けにシュメールを書いた小林登志子『シュメル』(中公新書)が個々の出土品からシュメールの世界に分け入っていくのに対し、こちらは項目別に整理して記述されていてより教科書的。個人的にはこっちのほうがわかりやすいが、人によっては退屈に感じるかもしれない。2012/11/27
うえ
4
「灌漑技術を含む高度な技術をもって、人びとはティグリス・ユーフラテス両川下流地域に進出して、ここに灌漑農耕を基礎におく文化を形成した。それがウバイド期(前5000-3500年)である。灌漑という新しい生産技術の成功で、従来の天水農耕とは比較にならない生産性を獲得したウバイド文化は、文明の発祥地である北の文化を圧倒して広がった。都市文明が開花したのがウルク期(前3500-3100年)である。…ウルク期に成立したおのおのの都市国家は、初期王朝時代にはいると、覇権や領土問題で激しく争うようになる。」2025/02/23
sfこと古谷俊一
3
タイトルとはだいぶ印象が違い、シュメールの歴史のおおざっぱな入門。シュメール都市と畿内とのサイズを比較してみせるのは面白い。大差ないのね。2009/04/07
†漆黒ノ堕天使むきめい†
1
メソポタミアとかの王様の名前、言い難くて頭に入りにくいいい。 メディナなどの聴いたことがある単語の復習が出来ました。 後ネブカドネザル二世ってバベルの塔の王様だったのかあー知らんかった。2015/07/28
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- 和書
- 鑑真 岩波新書