内容説明
激動の幕末維新から150年。奔走する志士、美しくも逞しい女たち、変貌する日本の風景など、歴史的瞬間を撮らえた貴重な写真で綴る。
目次
カラー特集 手彩色写真で甦った幕末維新
第1章 幕末維新の暮らしと職人
第2章 清楚で華麗な女性たち
第3章 時代を創った男たち
第4章 写真にドラマあり
第5章 幕末維新の日本の風景
第6章 幕末維新の海外渡航
第7章 幕末の城
特別付録 日露戦争
著者等紹介
高橋則英[タカハシノリヒデ]
1978年、日本大学芸術学部写真学科卒業。日本大学助手、専任講師、助教授を経て、2002年から日本大学芸術学部教授。専門領域は写真史、画像保存。2000年より小沢健志元教授の後を継ぎ写真史を講義。技術史にも重点をおき日本初の実用的写真術コロジオン湿板法の実験等も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoshida
156
幕末から明治期の日本の様々な姿を写した写真集。これは良い作品ですね。幕末当時の風俗に加え、開国し丁髷から断髪へ、和装から洋装へ移り行く様子が見れる。個人的には、シーボルトの娘である楠本いね。そして孫である三瀬高子の写真が好きでした。吉村昭さんの作品を思い出す。また、土方歳三の名刺判写真も良いですね。付録で日露戦争の写真もあり。旅順戦での、死傷者収用の休戦時に日露兵士が共に写る記念写真が、まだ戦争に騎士道・武士道の精神があったことを垣間見せる。坑道作戦での東鶏冠山砲台爆破の写真は圧巻。貴重な作品だと思う。2018/05/12
いつでも母さん
113
面白かった~レンズが撮らえたというだけあって、写真が多く幕末維新、明治のころの様子が分かり易い。時代のうねりの中に人々の暮らしがそこにはあった。城や町並みは勿論だが、あの頃の人。中でもやはり土方は好い男でダントツにかっこいい。片や女性も花柳の女性の美しさに驚くが鹿鳴館時代を彩った陸奥亮子。芸妓だったが陸奥宗光夫人となっての写真は凛として美しい。丁髷から断髪・・激動の時代をいきたこの国が、巻末で日露戦争に従軍した写真となるのがどうにも・・胸に沢山のバッチを付けている写真の方々は今の日本をどう思うだろうか。2018/01/11
ダミアン4号
64
幕末、明治初期の日本の姿!建造物は言うに及ばず“維新”で名を馳せた偉人達から一般庶民まで様々な写真を見る事が出来ました。地元の名所の姿も掲載されていて「おっ!全然、今と変わってないじゃん!こりゃ道路が舗装されてるかどうかの違いだけだよなぁ~」等と(笑)しっかし、興味深かったのは同時の“ミスコン写真”(下世話~)こんな言い方をしちゃ~申し訳ない(誰に?)のですが、今も昔も“美人の基準”というのは、そうそう変わるもんじゃ~ないのですね!髪形と着る物を現代風にしたら“アイドル”って言われたって違和感ない!(笑)2018/05/29
sofia
39
友人おすすめの本。最初の手彩色写真は鮮やかでリアル。絵付け師のカラー写真が印象的。有名な人はもちろんだが、庶民の生活、凛とした明治の女性たちが印象深い。高須四兄弟の小説を読んだが、4人が別々の方向を見ているのもおもしろい。2021/11/29
HMax
24
最近はやりのイケメン俳優が若者言葉で話す時代劇ではなく、本当の幕末の写真。でも表紙の松平忠厚と3人の藩士たちや、あの嘉納治五郎さんも美男子。裏表紙の陸奥亮子さんなんてまー素晴らしい。驚き一番は「岡っ引きと罪人」、感動一番は「北新地に流れる曽根崎川」。2018/08/19