内容説明
本書は、諸国の一宮の歴史をたどることによって、「一宮制度」の謎の解明に迫るものである。さらに、二宮・三宮にまで視野をひろげ、「一宮制度」が神社の社格を顕わしているだけではなく、国衙と密接に連携した宗教統治システムであったことの検証を試みている。一宮巡拝、神社探訪に関心のある方はもちろん歴史に興味のある方すべてに読んでいただきたい一書である。
目次
第1章 「一宮」とは何か―その成立過程と歴史
第2章 全国一宮・二宮・三宮の歴史(近畿地方―京都府・奈良県・大阪府・三重県・和歌山県・兵庫県・滋賀県;中部・北陸地方―愛知県・静岡県・山梨県・岐阜県・長野県・福井県・石川県・富山県・新潟県;関東・東北地方―神奈川県・東京都・埼玉県・千葉県・茨城県・群馬県・栃木県・宮城県・山形県;中国地方―兵庫県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県;四国地方―徳島県・香川県・愛媛県・高知県;九州地方―福岡県・大分県・佐賀県・熊本県・宮崎県・鹿児島県・長崎県)
第3章 一宮・二宮・三宮の祭神事典
著者等紹介
渋谷申博[シブヤノブヒロ]
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。神道・仏教など日本の宗教史に関わる執筆活動をするかたわら、全国の社寺・聖地・聖地鉄道などのフィールドワークを続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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乱読家 護る会支持!
3
新年あけましておめでとうございます、1冊目は、本で初詣。諸国にある一宮〜三宮と、祀られている神様を紹介。さて、一宮制度は、927年の「延喜式」に掲載されているけど、どのような基準で選ばれたのかは謎らしいです。おそらく、元々の地域信仰、地元の権力、大和朝廷との関係などなどから、決められたのでしょう。。。知らんけど。個人的には、日本の神社が持つ統一様式がどのような歴史を経て出来ていったのかが、気になりますね。2016/01/01
hr
2
各国を1〜2ページで説明していく、その手軽さがいい。写真も豊富。2018/03/31
(まだない)
2
地名にもある一宮・二宮・三宮だが、元はそこにある神社の社格を表す制度からきたもので、平安時代にできた制度らしい。一番であるはずの一宮がなぜか複数あったり、二宮・三宮がなかったり、と国によってさまざまで、なぜそのようになっているのかもまだはっきりとはわからないという。各神社の祭神や由来などもまとめてあり、読み物というより事典として手元においておきたい本。(2016/3/2読了)☆2.0点2016/03/02
梨輔
1
誤った記述がちらほら。229頁「…備後国は和銅六年(七一三)に北半分が美作国として分離された」の一文は、正しくは備後国ではなく備前国だと。また、備前国の一宮を吉備津彦神社の一社とし、石上布都魂神社を列挙しておらず、備前国出身の者としては非常に不満。
katashin86
1
一国2ページ程度の簡潔な解説だが、事典として参照するには過不足なく、まとまりのよい一冊。2019/06/07