内容説明
自然暦となったこぶしや卯の花、神様としてあがめられた山桜、母から子への愛をたくされたたんぽぽ―そこにあるだけで心躍る小さな存在に人はどんな思いを込めてきたのだろう。
目次
春隣りのふきのとう
余寒の梅
春宵の沈丁花
葉守りの馬酔木
椿の言祝ぎ
桃に乙女
浮き雲と菫
田打ち時のこぶし
いちめんの菜の花
山桜と山の神〔ほか〕
著者等紹介
白井明大[シライアケヒロ]
詩人。1970年東京生まれ
沙羅[サラ]
木版画家。展覧会での作品発表のほか、書籍や雑誌などの挿画を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベーグルグル (感想、本登録のみ)
35
春夏秋冬の花を詠んだ短歌や句、詩が木版の挿画と共に紹介されている。自然の木々や生き物など、季節を感じる生活を過ごしたい。2014/10/16
emi*
19
とても素敵な一冊でした。春に咲く花から始まり、夏、秋、冬。花を詠んだ短歌や句、詩が紹介され、注釈もついているのでとてもわかりやすい。著者の優しい文章に、木版の挿画の花たちが素晴らしい。最後の章、「野花の命」が特に好きです。2014/08/04
はな*
14
春隣りのふきのとう、山吹笑う、山茶花の明るみ、水仙の夢うつつ…目次からして惹かれる。詩人の白井明大さんが選ばれた50の花が古典から現代までの詩歌を添えて語られる。自然とともに暮らし、めぐる季節を感じ、生まれてくる詩歌。我々の暮らしのそばにはいつも花があった、とあらためて気づかされる。挿画は沙羅さんの木版画。沙羅さんの描かれる花の表情の豊かなこと。素朴で愛らしく、時に大胆に艶やかに。間に挟まれる小さな作品のラムネ菓子のような色合いと"ふわふわ感"がたまらない。5年ほど前に贈られ、折に触れ開いて眺めてきた一冊2022/09/23
双海(ふたみ)
11
木版画がなんともやさしい。季節の花の紹介とそれに関連する詩歌を掲載。良質な書籍だと思う。「来世とはまぶしきことば花こぶし」(柴田白葉女)2024/03/23
とーあ
2
散歩中に見かける梅も水仙も春を知らせてくれる。 そして次の季節の花に会うのが楽しみになる。 力強くて綺麗な木版画も素敵。 もっと季節を楽しむ生活をしたいな。2017/03/16