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内容説明
文学史上最後の文語文といわれている森鴎外の雅文『即興詩人』(アンデルセン作)。安野光雅が5年の歳月をかけて完成させ、現代によみがえる19世紀の恋と青春の物語。
著者等紹介
安野光雅[アンノミツマサ]
1926年、島根県津和野町生まれ。山口師範学校研究科修了。1974年度芸術選奨文部大臣奨励賞、その後ケイト・グリナウェイ賞特別賞(イギリス)、最も美しい50冊の本賞(アメリカ)、BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞などを受賞。1988年に紫綬褒章、2008年に菊池寛賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
42
岩波版『鴎外全集』の「即興詩人」の巻を買ったのが半世紀前。文語文の長編に何度か挑戦したもののついにそれ切りに。安野さんの口語訳を手にしたのが丁度十年前。それも何時とはなしに積ん読本の山の中に。最近ニュースで耳にした安野さんの名前に釣られて読み出したら、これが無性に面白く、頁を捲るのがもどかしいほど。詳しい事情は知らないけれども、北の国の作家アンデルセンの初めての長編小説で、イタリアを舞台に書かれた青春ロマンチック小説。言葉の贅を尽くしたイタリア各地の名所旧跡の描写を背景に展開される青春活劇(古いねえ)。→2021/02/24
junkty@灯れ松明の火
24
装丁に惹かれて購入。森鴎外の文語訳版『即興詩人』を読んでほしくて画家の安野さんが口語訳した本です。基本的に主人公のアントニオが人生の勝ち組になる話です。しかしこのアントニオ、ホント〜にダメなヤツなんです!人生の岐路に立った時、一切自分では決断しません。全て他人任せ。しかも後で恨んで自分は不幸だと落ち込みます。それなのに!最終的には財産持ちで街一番の美女を…。お前はわらしべ長者か!と突っ込みを入れずにはいられない感じです。でも結局は森鴎外版は読みたくなるし、イタリアに行きたくなってるんですけどね(笑)2011/05/09
コニコ@共楽
16
須賀敦子さんのお父さんが彼女に是非読んでほしいと言ったのが森鷗外訳、アンデルセンの「即興詩人」。アンデルセンが童話作家になる前のイタリア旅行の体験をまとめた自伝的物語。その森鷗外訳は文語調の美しい文体で書かれていて、国語をしっかり身につけるのに必要とイタリアの須賀さんの元に届けられた本だそうです。気になっていたお話ですが、鷗外の文語調は難しそうとずっと手に取らずにいました。今回、アンデルセンの「絵のない絵本」と出会ったのをきっかけに口語訳を読んでみようと思い立ちました。2020/01/28
ぱせり
12
美しい本。持っているだけで嬉しい装丁、一章ごとにはさまれたイタリアの風景や物語の場面を匂わせるような、風雅なカットが添えられていて。ページをめくるのが楽しかった。ありがとう、口語訳 即興詩人。憧れだった森鴎外の『即興詩人』を読み終えることができました。2013/03/15
シェラ
11
前半、まったりとした雰囲気でなかなか進みませんでしたが、ベルナルドとの決闘辺りから物語がぐっと面白くなってきました。語り口調が大げさ~と思いながら読んでいましたが、丁寧な日本語の良さを改めて感じました。いつか、森鴎外の文語訳も読んでみたいと思います。2011/11/06