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出版社内容情報
宮本 常一[ミヤモト ツネイチ]
著・文・その他
内容説明
山顛にいたる段畑、共同井戸、イリコ釜場、困窮島、スクールボート、内陸化した海岸集落…内海の島々・沿岸地に生きる人びとが棲み処に注いだ精根と、時代時代の「今」に向き合った暮らしの変遷を読む。
目次
広島湾というところ
広島
広島以西
宮島
岩国
岩国以西・柳井
室津
周南の島々
横浜付近
倉橋島
能美・江田島
柱島
端島・黒島
津和地島・怒和島
二神島
由利島
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
35
中心となっているのは瀬戸内海の島々。広島や宮島、岩国といった都会も触れられているが、そこはさわり程度。軍都から原爆後の移り変わりや宮島の信仰が書かれている。ただやはり作者の本領が発揮されているのは、後半の島々の部分。今回は航空写真が多めに使われていて、入植した過程が直接教えられる。ただこのように発展させても人口流出や過疎は今も昔も変わらない問題であるらしい。孤島苦というのは離れ小島だけの問題ではなく、斯様に都市が近くにある島でも変わらないのであるな。後気になったのは後書きで触れられていた観光と民俗の問題。2014/12/29
きいち
26
この現場感覚、いつもながら惚れ惚れする。◇宮島も島。そして、東側の江田・能美島とはほんのわずかしか離れてない。同様に湾の南側は、宮本の故郷周防大島から東へ続く忽那七島を経て松山まで、意外にしっかりとつながる。各島、陸とのかかわりを含め、細かく訪ねてもらって初めてわかる地理。◇宮本は景観は人々の社会意識を反映している、と言う。そう言えるのは彼が風景の読み取り方を知っているから。◇連合艦隊の停泊地としてよく出てくる「柱島」はこの巻のエリアのほぼ中央。そして当たり前のことだが、そこにもしっかり人の暮らしがある。2016/05/31
takeapple
11
宮本常一のフィールドワークの賜物、昭和30年代頃の様子が、写真入りで載っている。今思えば古き良き時代を写すものだが、その当時でも資本主義社会の発展によって、田舎は住みづらくなり、良いものが失われていくということが嘆かれている。今の世を宮本さんが見たらどう思うのだろう。いつかこの辺をのんびり歩いてみたい。2023/07/09
えいとうっど
0
極めて個人的なお気に入り度合い:★★★★☆4点 50年前の著作だが、まさにその通りと唸らされた。かつてこの世の天国と呼ばれた島々があったんだな…。2018/04/07