出版社内容情報
本書は30年代はじめに国立映画大学の学生たちと、映画における場の演出・画面の演出・カット割り等を具体的作品の具体的シーンに即しての討論風景を弟子ニージニーが記録する。
目次
1 演出上の解決
2 場の演出(ミザンセーヌ)
3 カット割り
4 画面の演出(ミザンカードル)
附録 構成の諸問題
著者等紹介
中本信幸[ナカモトノブユキ]
1932年栃木県足尾生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒。ロシア文学・演劇、比較文化専攻。神奈川大学名誉教授、舞台芸術学院講師、音響芸術専門学校講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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葉
1
エイゼンシュテインと学生のやりとりが感性をちらつかせながら書かれている。物語の腕前を評価する一方で、自分の言葉、意図、構想を実地に移してみて、演出上の正しい解決を発見出来るようにならなければならないとしている。場の演出ミザンセーヌではテーブルの配置や演技について書かれており、イラストを織り交ぜている。映画の演出方法がわかったところで自分には使えないが面白い内容だった。2014/12/19
あなた
1
実況中継!エイゼンシュテインのカット割講義。エイゼンシュテインといえば、モンタージュ論だけれども、彼は映画にあらわれる「線形」にも多大な注意を払っている。バルトの意味に回収できない「第三の意味」はあながち突拍子でもなく、実はこうした指標にもとづいて、意味のゆらめき=きらめきが語られたのだときづく。映画とは、線の織物であり、その線のゆらめきによってわたしたちは意味やイデオロギーを加工していくのである。そのエイゼンシュテインのエンコーディングを、脱構築してかろやかにデコーディングしたのがバルト2009/08/22
丰
1
Y-202001/08/12
hobby no book
0
取り上げているシチュエーションは多くないけれど、学生たちとのやり取りを重ねながらエイゼンシュティンが最適の演出を導く過程が描かれている。最適な場面をどう切り取るのか、ということについてここまでしっかり考えられるようになりたい。2014/12/16
ごま
0
返却期限きちゃったから途中までだけど。すごい。とことん理詰めで演出を語る。無駄がない。「なんとなく」をいっさい許さない。舞台美術の位置ひとつとってもこれでもかと理由づけしていくさまは気持ちいい。完成度とは説得力ってことだなあ。2012/02/03
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- 無法松の影 文春文庫